【展望】長総大付、国見の「2強」に有力校挑む構図か

 4連覇中の長崎総合科学大付と、プロ内定ストライカーを擁する国見が2強に挙げられる。九州新人大会8強の創成館、幅広い戦術を持つ長崎日大も勝機は十分。県新人大会4強の島原商は予備抽選でシード枠から外れたが、近年で最もチーム力が充実している。
 春以降はコロナ禍の影響で活動が制限され、ようやく公式戦が再開されたのは8月。どのチームも実戦経験が浅く、番狂わせが起きる要素は多分にある。
 それでも長総大付は分厚い選手層を誇り、V候補筆頭の座は揺るがない。前年は全国選手権に1、2年生5人が出場し、そのメンバーを主力に戦った九州新人大会は4強入り。コロナ中断を経て、9月5日の公式戦再開初戦(県リーグ1部)は、またがらりと選手を入れ替えて島原商に3-0、12日の長崎日大戦は2-0で快勝している。精度の高いクロスから次々とシュートを放ち、主将のMF一宮はFKで直接ゴールを陥れる。
 前年準優勝の国見は、J1札幌入りが内定したFW中島に注目が集まる。高さと速さを備えた大器はJリーグ特別指定選手に認定され、すでにプロの環境で始動。北の大地で一回り成長して戻ってくれば、相手に与える脅威は増すだろう。
 悲願の初タイトルを狙う創成館は、MF岩崎を軸にボールを保持する正攻法で勝負。長崎日大は両サイドに突破力のある選手をそろえ、島原商はMF林田阿のゲームメーク術が光る。
 今年はルーキーに高い能力を持つ選手が多い点も特徴だ。国見のMF北村は既に伝統校の主軸を担い、長崎日大のMF高嶺は左サイドで存在感を放つ。県北地区予選を全勝で突破した九州文化学園も主将以外はすべて1年生という若いチーム。創部2年目で早くも県大会出場を決めた。

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