就職、転職…「雇用に不安」3割超 長崎県民アンケート 企業誘致など数値目標 若者定着促進へ

次期県総合計画に向けた県民アンケートの結果

 長崎県が2021年度から始まる次期県総合計画に反映させるために実施した県民アンケートの結果によると、「暮らしの中で不安に感じることは」の問いに「就職・転職などの雇用環境」と回答した県民が33.4%で最も多かった。「特に力を入れるべき施策」の問いでも「雇用対策」が35.9%で最多となるなど、県民が雇用環境の改善を求めている実情が浮かび上がった。
 次期総合計画は25年度までの5カ年。アンケートは計画策定前に、県民が本県に抱くイメージや行政への要望などを把握するために実施。昨年8月、本県に住む15歳以上の男女計3千人を対象に調査票を配布し、1325人から回答を得た(回収率44.2%)。
 長崎県のイメージについては「食べ物が豊か」「歴史・文化が個性的」「犯罪や災害が少なく安全」が、14年の調査時と変わらず上位に挙がった。暮らしやすさについては「住みやすい」「どちらかといえば住みやすい」が計76.6%で、前回より0.5ポイント増とほぼ横ばいだった。
 一方、「若者にとって魅力的なまちか」の問いでは「思わない」「どちらかといえば思わない」が計77.4%で、前回より5.6ポイント増加。その理由で最も多かったのが「魅力的な勤め先がない」の61.7%で、続く「レジャー施設など遊び場が少ない」(27.9%)の倍以上を占めた。
 こうした声を反映し、県は次期計画の素案に、5年間で50件の企業誘致や、県内高校・大学生の県内就職率をそれぞれ68%(18年度61.1%)、50%(同41%)に引き上げるなどの数値目標を掲げている。県政策企画課は「航空、ロボット産業など新たな基幹産業の創出を目指す。魅力ある雇用の場を確保して若者定着を図っていきたい」としている。

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