コロナでリスク高まる子どもの自殺…今こそ問われる大人の言動

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。9月4日(金)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、健康社会学者で気象予報士の河合薫さんがコロナ禍における“子どもが抱えるストレス”について解説しました。

◆72%の子どもがコロナでストレス反応あり

例年、新学期が始まるこの時期は不登校や自殺が増える傾向にあります。さらに今年は「コロナいじめ」や変化を余儀なくされた家庭生活のストレスなど新たな要因から、例年以上のリスクの高まりが危惧されています。

コロナストレスに関し、国立成育医療研究センターが子どもを対象に緊急自体宣言直後と6~7月の2回実施した調査では、72%の子どもにストレス反応が発覚。ストレス症状のなかには「コロナのことを考えると嫌な気持ちになる」や「集中できない・イライラする」などに加え、「自分の体を傷付けたり、家族やペットに暴力をふるうことがある」という深刻なものもあったと言います。

そして、子どもからの声のなかには「コロナのことを考えると寝ながら泣いてしまう」や「学校に行きたいのに行きたくない」、さらには「死にたくなる」というコメントも見受けられたとか。

そんななか、河合さんが注視していたのは親子関係。親に「怒鳴られた」小学校低学年の子どもは33%、「叩かれた」が14%。一方で、コロナ前に比べ「子どもとの好ましくない関わり」が増えたという保護者は、36%。これは親もストレスが溜まり、そのうえ外出ができなくなり、親と子どもが一緒にいる時間が増え、「親のイライラが子どもにぶつかり、望ましくない行動に変えられている」と河合さんは分析。

◆子どもたちの切実な意見に耳を傾けるべき!

今回の調査では、子どもたちに大人に言いたいことも聞いており、それが「大人はしっかりと聞いてほしいというコメントばかり」だそう。

例えば、「『子どもが家にいるのがストレス』と言うけど、子どもも同じ。存在を否定されるのはつらい」、「『子どもがかわいそう』って大人は言うけど、実際には思ってないくせに……と思う」という辛辣なコメントが。

その他にも、「学校のコロナ対策に参加したい」と前向きな意見がある一方で、「大人だけで議論しないで子どもの気持ちをもっと聞いてほしい」、「もう少しだけ子どものことも考えてほしい」などの切実な意見も。さらに、「政治をする人は人の気持ちが理解できる人なんですか?」、「お金を給付して、少しでも安心して生活ができるようにしてほしい」といった声もありました。

◆子どもは見ている……大人は言動に要注意

また、2回目の調査で差別や偏見に繋がる「スティグマ」に関する調査を行ったところ、32%の子どもが「自分や家族がコロナになったら秘密にしたい」と回答。さらには、コロナになった人とは完治後も付き合うことをためらう人が多いだろう、というコメントも認められているとか。

現在、コロナ感染者に対するバッシングや誹謗中傷が問題になっていますが、そういったことに対する大人の言動が「子どもがスティグマを持つことに繋がる」と河合さんは危惧。そして、子どもがストレスを感じている場合、子どもの気持ちに寄り添うことも大切ですが、「自分の言動が子どもに見られていることをもっと自覚してほしい。大人の言葉が子どものいじめ、ストレスに繋がる。全ての大人が今一度、自分の言動を考えてほしい」と訴えます。

キャスターの宮瀬茉祐子も、「学校でいくら教育しても、家で大人がそこを正さない限りは(教育が)無駄に終わってしまう。そこは私たちがしっかりと気をつけなければ」と河合さんの意見を後押ししていました。

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<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/morning_cross/
番組Twitter:@morning_cross

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