世界的に見れば最低水準…少なすぎる日本の女性議員

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。9月14日(月)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、著述家の北条かやさんが“日本の女性議員が増えない理由”について言及しました。

◆歴史的にも常に低い、日本の女性議員の割合

各国の国会議員による国際交流組織「列国議会同盟」によると、世界の国会議員の女性割合の平均が24.9%のところ、日本は9.9%で世界193ヵ国中166位。女性の政治参画を巡っては、2018年に男女の候補者の数が均等になるよう政党に努力を求める「政治分野における男女共同参画推進法」が施行されましたが、2019年7月の参院選では自民党の女性候補者は2割に満たない14.6%でした。

日本の女性議員の割合は、歴史的に見てもあまり上がっておらず、最初に女性が選挙に出馬、投票できるようになったのが1946年。そのときの総選挙では、39人の女性議員が当選しました。

しかしその後、女性の議員数、割合は下がり、低迷していたものの、1980年代になると女性中心の生活に根付いた消費者運動が起こり、政治関心が向上。そして、その流れのなかで1989年の参院選で土井たか子議員の「山が動いた」で知られるマドンナ旋風が巻き起こり、参議院の女性議員が増加。とはいえ、全体的には微増での推移に留まり、「国際的にはいまだに低い水準にある」と北条さんは言います。

◆戦後変わらない、女性議員が増えない理由

なぜ女性議員は増えないのか。北条さんが語るその大きな理由は2つ。1つは「家事育児との両立が24時間の政治対応に難しいこと」。そして、「女性が政治を担うことに偏見があること」。

1945年の朝日新聞には、婦人参政権が付与されたことを受けての読者投稿が掲載されていて、そこには「女は婦人参政権へ火のような熱意を抱いていても、口にすることすら許されない。もし、そのようなことを話したければ、あり余る仕事(家事)を完全に済ませた後でなければならない」という言葉が。

これを提示した北条さんは、「女性の家事・育児負担の重さは75年前から変わっていないんじゃないか」と指摘します。

また、「政治参加する女性に対して、好奇の目が向けられることも昔から変わっていない」と言い、日本初の女性議員誕生を報じる一面記事を紹介。そこで大きく扱われているのは該当議員の離婚・ゴシップネタ。要約すると議員の夫が戦地で奥さんと子どもを作っていたのですが、それを見て北条さんは「新聞でもそういった論調だから、世間一般からするともっと冷やかしの声は多かった」と言い、今もその状況が変わらないことを憂います。

さらに、女性議員は「口撃されやすいということもあるので、その辺りが女性が政治参加しづらい原因であり、有権者の空気がそうなっている」と主張。その他、供託金の高さ、「選挙にはお金がかかりすぎるので、平均的に収入が低い女性は出にくい」とも。

社会学者の西田亮介さんは、「政治文化の問題も大きいと思う」と言います。というのも、そもそも日本では女性が政治を語るのを良しとしない空気があり、「有権者・支援者と一緒にお酒を飲むのが良いとか、日本的な村社会的付き合いこそ選挙や政治で重要だという空気がある」と指摘し、「そういった有権者の空気も変わっていく必要がある」と訴えます。

しかし、北条さん曰く、選挙は基本的に男性の現職が有利で、そこには既得権の問題も大きく関わっていることから、「それが、日本がなかなか変わらない理由であり、女性の当選率も低い」と話していました。

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<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/morning_cross/
番組Twitter:@morning_cross

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