長崎県集落対策研修会 空き家活用策考える

オンライン研修会で空き家活用についての先進事例を紹介する岩本氏=県庁

 長崎県は23日、集落の維持、活性化について考える県集落対策研修会を県庁を会場にオンラインで開催し、約100人が参加。「空き家の活用と地域自主運営組織の関係」をテーマに活性化の手法を学んだ。
 研修会は、人口減少に伴い労働力不足が顕在化する「2040年問題」対策の一環。新型コロナウイルス感染防止などのため、2回目の今回は初めてオンラインで開き、「斜面地・空き家活用団体つくる」の岩本諭代表と、空き家再生の宿「一棟貸し平戸よこた」オーナーの大田圭一氏が講演した。
 長崎市の南山手地区でシェアハウスなどを手掛ける岩本代表は「若者が訪れる機会をつくり、地域活動に参加するうちに住んでみたい人が現れる」と実体験を紹介。会員制交流サイト(SNS)で斜面地の魅力を発信し「住みたい人と(空き家を)貸したい人とのマッチングに取り組んでいる」と報告した。
 また、平戸市で空き家宿泊事業などを展開する大田氏は「空き家を活用する際は、前の家主の思いをつなぐことが大切」と強調。運営スタッフには地元の子育て世代の女性を雇用していることや「女将(おかみ)」制度を採用していることを紹介。「女性の活躍で地域は発展する」と語った。
 次回は「住民主体の移動サービスの在り方」がテーマ。10月14日に開く。

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