6月以降毎月…なぜ? 三浦半島の異臭調査へ 再発生時に空気採取

消防車(イメージ)

 三浦半島で6月以降、原因不明の異臭が毎月発生している問題で、神奈川県などが関係機関で連携して対応するための会議を立ち上げ、調査に乗り出したことが24日、分かった。今後、再び異臭が発生した際には横須賀市消防局が現場に急行して異臭を含む空気を採取し、県環境科学センター(平塚市)で詳しく調べる。

 「三浦半島南東部沿岸域での異臭に係る関係機関情報交換会」に参加しているのは県、横須賀、三浦両市のほか、各警察署や第三管区海上保安本部など。「異臭の通報が相次ぎ、原因も不明で、まずは情報共有をして対応する」(県大気水質課)として、今月1日に各機関が集ってこれまでの情報を持ち寄り、どんな対応ができるかなどを意見交換した。

 初会合では、原因調査を行うことを決定し、次に異臭が発生した際に実施できるように8日から備えている。横須賀市消防局が通報を受けて現地に向かい、実際に異臭を感じれば空気をビニール袋に詰め、同センターの専用機器で調査するという。

 その後、今月19日に同市内で4度目となる異臭が発生。同局は通報を受けて現地へ向かったが、すでに臭いは消えており、空気を採取できなかったという。同課は「サンプリングできたとしても濃度が薄ければ機械が反応するか分からないが、対応できるように準備を整える」としている。

 原因不明の異臭は、横須賀市や三浦市の東京湾側を中心に、6月4日、7月17日、8月21日、9月19日に発生。最も広範囲にわたった6月4日夜には、警察や消防に「ゴムが焼けたような臭い」や「化学薬品のような臭い」などと、計500件以上の通報が相次いだ。

 4回とも短時間で臭いは消えたため、原因は分かっておらず、市民からは不安の声も出ていた。

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