クルーズ船運営のルミナスクルーズ(株)[神戸]が民事再生廃止、破産へ

 3月2日、神戸地裁へ民事再生法の適用を申請し5月14日、再生手続開始決定を受けていたルミナスクルーズ(株)(TSR企業コード:662108680、法人番号:3140001015212、神戸市中央区波止場町5-6、登記上:同市北区青葉台15-12、設立1985(昭和60)年2月、資本金1000万円、熊野幸三社長)は9月23日、再生手続廃止決定および保全命令を受けた。今後、破産手続きに移行する予定。
 負債総額は約12億9600万円(2019年5月期決算時点)。

 レストランクルーズ船「ルミナス神戸2」の運営母体。神戸ハーバーランド内の観光スポットとして一定の知名度を誇り観光客を中心に集客していたほか、ブライダルや各種イベントも開催し、ピーク時の年間売上高は10億円を超えていた。しかし、船舶の償却負担や燃料高騰により、赤字決算が続き、債務超過が常態化。資金繰りの悪化から金融機関に返済条件の変更を要請していた。
 このようななか、2018年は大阪北部地震、豪雨、台風21号と自然災害が続き、2019年に入ってからも台風による運行中止が相次いだ結果、2019年5月期の売上高は8億円台にまで落ち込んだ。さらに、近時は新型コロナウイルスの影響に伴う多数のキャンセルが発生し、2020年3月に民事再生法を申請した。
 民事再生手続きのなかで、神戸港においてレストランクルーズ船「コンチェルト」を運営する(株)神戸クルーザー親会社のファースト・パシフィック・キャピタル(有)(TSR企業コード:295636181、法人番号:5013202011148、東京都目黒区)より、事業再生支援の表明を受け、「コンチェルト」への振替え乗船を行ない顧客に対する救済策を打ち出すなどして再建を図ってきた。しかし、収束の目処が立たないコロナ禍の影響で資金繰りは改善せず、再生手続き廃止となった。

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