「筒先放すな」奮戦、新加入の女性消防団員が研修 神奈川・愛川、自主防災組織から積極勧誘

筒先をしっかりと持って放水訓練をする阿部清野さんと、後ろでホースを支える米田美智恵さん=愛川町角田の町消防庁舎

 神奈川県愛川町消防団の新入団員と、町内の工業団地従業員らでつくる機能別消防団員を対象とした基礎教育研修が27日、同町消防庁舎(同町角田)で開かれた。昨夏入団した同町初の女性団員3人も参加。消防ホースの扱い方の基礎を教わり、本番同様の水圧をかけての放水訓練に臨んだ。

 町消防本部によると、町消防団は定員231人に対して団員数が195人にとどまり、なり手不足に悩む。同本部は地域の自主防災組織で活動する女性らを積極的に勧誘。同町田代地区の婦人消防クラブに所属する米田美智恵さん(47)、阿部清野さん(48)、安藤由美さん(55)の3人が新たに加わった。

 今回の研修は町消防本部主催で17人が参加した。新入団員らはこれまで地域の分団ごとに訓練してきたが、本格的な放水訓練は初めて。1人がホース先端部の筒先(つつさき)を持ち、1人が後ろでホースを支え、高い水圧に耐えながら的をめがけて放水した。指導役の消防職員は「しっかりと前傾して。どんなことがあっても筒先を放すな」と助言した。

 安藤さんは「補助役がいないと大変だと実感した。みんなで協力して活動していきたい」と意欲を示していた。

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