平戸市 あすからバス路線改編 市民病院で運行開始式

新規運行する紐差―宮ノ浦線の試験運行に乗車する市民=平戸市民病院

 平戸市は市地域公共交通再編実施計画に基づき、10月1日から、主に同市中部、南部のバス路線とダイヤを変更する。この変更を前に、同市は29日、同市草積町の平戸市民病院で、新たに運行する市営コミュニティーバス紐差-宮ノ浦線の運行開始式を行った。
 同市内の路線バスは利用者が減少し、赤字が続く。路線バス2社への補助金と市営コミュニティーバスなどを合わせた市の公共交通維持費は、2015年度約1億円だったが、19年度に1億4千万円を超えた。
 市は19年度、市内のバス利用状況を調査。登下校などで利用が多い一部を除き、全般的に乗客が少ない。市北部からも南部からも、同市中部の平戸市民病院(草積町)、平戸高校前(同)までの利用がほとんどだった。調査結果を受け、市は、同計画に基づくバス路線、ダイヤ改編を国土交通省九州運輸局に申請し、9月18日付で許可を受けた。
 今回、西肥自動車が運行する平戸桟橋(崎方町)-宮ノ浦(野子町)線が大幅に変更。発着点をたびら平戸口(田平町)まで延伸し、松浦鉄道と直結する。西肥自動車による全行程運行は始発と最終の2便だけ。ほかは平戸市民病院経由でたびら平戸口と平戸高校前の区間に短縮する。
 一部区間は区域デマンド運行の市営コミュニティーバス(予約制)や、まちづくり運営協議会のデマンドタクシーなどに移行する。
 同市は、市の広報紙やホームページで変更内容を周知している。
 式では黒田成彦市長が、運行を受託したケイライン社(同市)の竹田耕太郎社長に新規購入した29人乗りバスの鍵を寄託した。黒田市長は「中南部地域の皆さんの移動手段として幅広い利用を期待している」とあいさつした。

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