柴戸FFG社長一問一答 融資審査「新銀行に任せる」 事業承継など一つ一つ丁寧に

リモート通信による記者懇談会で十八親和銀行について見解を述べる柴戸FFG社長=福岡市(FFG提供)

 ふくおかフィナンシャルグループ(FFG、福岡市)の柴戸隆成社長は29日の定例記者懇談会で、10月1日に発足する十八親和銀行について、商品開発や融資の審査は基本的に新銀行の判断に任せるとの見解を示した。一方で、効率性や生産性を向上させるにはグループで統一して取り組む必要性を強調した。一問一答は次の通り。

 -長崎県内には「“福岡の銀行”にならないか」「福岡の判断に左右されるのか」といった主体性を問う声が今なおある。商品開発や融資の審査、店舗展開などをどこまで新銀行の判断に委ねるのか。
 基本的には現場でいろいろジャッジするのが一番お客さまに寄り添えて、地域活性化につながると思う。(本県の)お客さまの状況を一番知っているのは新銀行であり、当然そこで個々の判断もしてもらう。
 ただ他方で(組織が)強くなるには、同じようなものをまとめて全体を最適化した方がいい。効率化や生産性を上げる取り組みは、福岡銀行、熊本銀行、十八親和銀行のグループ3行全体で調整し、徹底したい。志だけでは地域に貢献できない。それをやり遂げる体力を付けないと。

 -県民に合併効果を実感してもらうため新銀行発足初年度はどう取り組むか。
 事業承継や販路開拓、デジタル化サポートなど、一つ一つを丁寧に展開していくのが大事。お客さまと向き合い、個々の課題に寄り添っていきたい。

 -菅義偉政権は地銀再編に前向き。どういうスタンスで臨むか。
 地銀の経営環境は人口減少などで厳しく、将来も楽観できる状況にはならないだろう。地域の金融インフラという大事な役割を背負う中、持続可能なビジネスモデルができて、将来にわたって収益性や健全性を担保できるなら再編はやぶさかでない。地銀同士も選択肢だが、IT新興企業との提携など、その時々に一番マッチした手段を選べばいい。

 -新銀行の成否が全国の再編に影響を与えるか。
 まずは地元の取引先に評価してもらいたい。その延長線上でプラスとでればよい。今(新銀行に関わる)みんなで力を合わせて工夫しており、やっていけるという手応えはある。

© 株式会社長崎新聞社