修学旅行の代わりにオペレッタ 厚木市立上荻野小で上演

オペレッタ劇団ともしびが演じる「トラの恩がえし」を楽しむ児童=厚木市立上荻野小学校

新型コロナウイルス感染拡大の影響で修学旅行が取りやめになった児童に観劇を楽しんでもらおうと、「オペレッタ劇団ともしび」による児童劇「トラの恩がえし」が2日、厚木市立上荻野小学校(同市上荻野)で上演された。6年生の約80人が、生の演劇を肌で感じ、その面白さを堪能した。

 文化庁が実施する巡回公演事業に同校が応募し、上演が実現した。3密にならないよう2グループに分け、間隔を空けるなどの配慮をして実施した。

 「トラの恩がえし」は朝鮮半島の民話で、歌も織り込まれるオペレッタ(小喜歌劇)。体育館に山の風景を描いた縦6.3メートル、横7.2メートルの背景を設けて、劇場の雰囲気を演出。同劇団は時にコミカルに、時に叙情的な歌を披露し、山で命を助けてもらったきこりに対して、生涯をかけて恩返しするトラの姿を通して、友情の大切さを伝えた。

 公演を見た佐藤陽紀(ひろき)君(11)は「いろんな楽器の演奏を演技に合わせるのが面白かった」、大城亮人(りょうと)君(11)は「歌に迫力があった。修学旅行には行けなかったが、演劇を見ることができてよかった」と笑顔で話した。

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