「軍艦島の強制労働 なかったと言えない」 岡まさはる資料館講演会

 岡まさはる記念長崎平和資料館(長崎市西坂町)の設立25周年記念講演会が4日、同市桜町の県勤労福祉会館であった。ビデオ会議システムを活用し、歴史研究家の竹内康人氏が「長崎県での朝鮮人強制労働の実態」と題して話した。
 竹内氏は、1939年から44年にかけて県内には、約5万人の朝鮮半島出身者が「労務動員」されたと説明。炭鉱などで働き、一部では賃金の未払いも発生していたという。
 世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」を構成する「端島炭坑」(軍艦島)の状況についても言及。当時の史料を示し、暴力的な行為などがあったとの証言を紹介しながら「強制労働は『なかった』とは言えない」と主張した。その上で「真相を明らかにし、歴史を正しく伝えることが必要だ」と語った。
 講演会には、オンラインでの参加者も含め約120人が耳を傾けた。

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