秋田の「道の駅」の活性化策を研究 長崎国際大の学生  ネット活用「地域を元気に」

テレビ会議システムで道の駅担当者ら(上段左、上段中央)と活性化策について意見を交わす学生

 長崎県佐世保市の長崎国際大国際観光学科の学生が、秋田県鹿角市にある道の駅「かづの」の活性化策を研究している。両市の間の距離は1200キロ以上。学生はインターネットのビデオ会議システムを活用して現地の担当者と意見を交わし、「地域を元気にしたい」と考えている。
 9月中旬、ビデオ会議システムの画面には、同学科の早坂昌彦准教授のゼミに所属する学生や道の駅担当者らの顔が並んだ。学生は「キャンプ場を併設してはどうか」「おしゃれなカフェで若者にアピールを」などと提案。担当者はうなずいたり、課題を指摘したりして、今後、企画を磨いていくことを確認した。
 鹿角市の人口は約3万人。道の駅は青森、岩手との県境近くにあり、同市と地元企業が出資して1995年にオープン。英語でシカの角を意味する「あんとらあ」の通称で親しまれ、物産館や飲食店があるほか、地域の観光拠点となるDMO(観光地域づくり推進法人)の役割も担う。
 道の駅を運営する公社の執行役員は、佐世保市のハウステンボス(HTB)でホテル部門のマネジャーだった清水涼太さん(44)。HTBで役員だった早坂准教授と職場が同じだった縁で、7月にゼミ生と交流し、「これからは過疎化が進む。道の駅の活性化策を考えて」と呼び掛けた。
 企画研究にはゼミの3年生7人が参加。全員が九州出身のため、ネットで現場を調べながら企画を考え、9月から具体的な提案を始めた。ゼミ生の田﨑奨さん(20)は「土地勘がなく、苦労も多いけれど、一から地域を学べる面白さがある」。清水さんは「若い感性に刺激を受けている。アイデアを形にして実行したい」と手応えを語る。
 早坂准教授は「人口減少など東北と九州は同じ課題を抱えおり、道の駅から学ぶことは多い」とし、来年度に学生を現地へ派遣できないか検討中。鹿角市も「受け入れを支援したい」としている。

秋田県鹿角市の観光拠点となっている道の駅「かづの」(道の駅提供)

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