巨人中島、広島堂林、楽天涌井… 2020年シーズンに復活を遂げた男たちは?

巨人・中島宏之(左)と広島・堂林翔太【写真:荒川祐史】

巨人中島は昨季43試合、打率.148から今季は一塁のレギュラーを獲得し打率.299と好調

今シーズンも残り30試合を切りペナント争いも終盤を迎える。新型コロナウイルスの感染拡大を受け120試合制となったがセ・リーグは巨人が首位を独走、パ・リーグはソフトバンクとロッテが優勝争いを続けている。ここでは昨季の悔しさを晴らし、ここまで好成績を残している“復活を遂げた男”たちを見ていく。

〇巨人 中島宏之
19年 43試合54打数8安打、1本塁打5打点 打率.148
20年 80試合234打数70安打、7本塁打28打点 打率.299

オリックスから移籍した昨季は主に代打などで43試合の出場に終わり打率.148とレギュラー定着後ワーストの成績に終わった。オフの契約更改でも野球協約の限度額制限を超える大幅ダウンを受けいれ、背水の陣で今季を迎えた。

コンパクトな打撃フォームに改良しオープン戦から4本塁打を放つなど結果を残し開幕1軍をつかみ取ると一塁のレギュラーを獲得。通算200本塁打もマークし勝負強さと代名詞ともいえる右打ちは健在。打率も一時、3割に乗せるなど本来の打撃を取り戻した。

楽天・涌井秀章【写真:荒川祐史】

楽天涌井はパ・リーグ初の3球団での2桁勝利、自身4度目の最多勝も射程圏に

〇DeNA 梶谷隆幸
19年 41試合93打数20安打、5本塁打15打点 打率.215
20年 88試合355打数113安打、16本塁打 打率.318

18年、19年とケガと不振でレギュラーの座を失い41試合の出場に留まったが、プロ14年目を迎えた今季は春季キャンプから猛アピールを続け「1番・中堅」として開幕スタメンを勝ち取った。若手が台頭してきたチームの中でも安定した成績を残し9月は打率.378、5本塁打、14打点で月間MVPも獲得した。

打率も徐々に上げていき現在はリーグ2位の.318と同僚の佐野と首位打者争いを繰り広げている。8月で32歳を迎えたがまだまだ、その打撃技術、一発を放つパワーに衰えは見られない。

〇広島 堂林翔太
19年 28試合34打数7安打、0本塁打2打点 打率.206
20年 88試合324打数95安打、13本塁打47打点 打率.293

広島の“プリンス”として大きな期待を受けながら今季でプロ11年目を迎えた堂林。昨季は9月こそ月間.316をマークしたが出場はわずか28試合に留まった。2013年以降は100試合以下の出場が続いていたが今季は開幕スタメンを手にすると好調をキープ。

ここまでキャリアハイの47打点をマークし本塁打も2012年の14本に次ぐ13本と完全復活。三塁のレギュラーを獲得してカープを引っ張っている。

〇楽天 涌井秀章
19年 18試合 3勝7敗、104回87奪三振 防御率4.50
20年 16試合 10勝3敗、106回95奪三振 防御率3.06

沢村賞、3度の最多勝を誇るベテラン右腕もロッテ時代の昨季はわずか3勝に留まる不本意なシーズンを送り、オフにはトレードで3球団目の新天地・楽天に移籍した。

開幕から破竹の8連勝を飾るなど圧巻のスタートを切ると、9月30日のソフトバンク戦ではパ・リーグでは初となる3球団での2桁勝利を達成。自身8度目の2桁勝利をマークし自身4度目の最多勝も見えて来た。プロ16年目、34歳のベテラン右腕が再び輝きを取り戻した。(Full-Count編集部)

© 株式会社Creative2