【気になる一言】「僕はアンダーステアが嫌いなんだ」メルセデスとの差を縮めたフェルスタッペン、マシンの進化を確信

 2020年F1第11戦アイフェルGPの予選で、今シーズン6回目の3番手を獲得したレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン。ただし、ポールポジションを獲得したメルセデスのバルテリ・ボッタスとの差は最も小さかった。

 その理由を尋ねられたフェルスタッペンは次のように説明した。

「僕はアンダーステアが嫌いで、このようなサーキットではアンダーステアが出ると速く走ることができないんだ。というのも、ニュルブルクリンクは中速コーナーが多いのだけれども、そういったコーナーでアンダーステアが出ると、コーナーの出口に向かってスピードを乗せていくことができない」

「その場合は走行ラインをV字にとるしかないんだけど、そうするとどうしてもタイムが落ちる。今日は寒かったからフロントタイヤに熱が入りづらく、アンダーステアになりやすい状況だったけど、幸いそんなにひどいアンダーステアに見舞われることはなかった。それがメルセデスに接近できた要因だと思う」

 レッドブル・ホンダはアイフェルGPに新しいフロントウイングを投入したが、それもタイムアップの要因だったのか。

「確かに僕たちは今回、車体にいくつかのアップグレードを行った。そして、それが今日の走りに影響を与えた。もちろん、(金曜日に走行できず)今日走っただけなので、まだそのアップグレードの効果を最大限発揮できてはいない。というのも、今日もアンダーステアに悩まされることがあった。もう少しデータを見る必要があるけど、総じてクルマは間違いなく前進している。つまり、正しい方向で開発が進められていると思う」

2020年F1第11戦アイフェルGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)

 今シーズンはこれまで、メルセデスと予選で大きく差をつけられていても、決勝レースではその差は縮まり、時にいい戦いを演じているフェルスタッペン。今回の予選では、すでにその差が約0.3秒まで縮まっているが、レースでメルセデスを逆転することは可能なのだろうか。

 フェルスタッペンは金曜日のセッションが中止となったので、わからないと言う。

「十分なロングランができていないので、レースではいくつかの点で予測が難しい。ただ、さっきも言ったようにマシンはシーズン当初に比べれば、改善していることは確かだ。全体的に挙動が安定するようになった。だから、フロントとリヤの反応がリンクして感じられるようになった」

「確かにさっきも言ったように、今日僕はアンダーステアに見舞われたけど、それも一度だけ。悪くないよね。僕たちは今シーズンの初めに、いくつかのことが正しくなかったことを知っている。僕たちはそれに対処しようと、学び、改善を試み、そしていま改善することに成功した。来年はおなじ過ちを犯さないようにしないとね」

 ホンダが2021年限りでのF1活動終了を発表した直後のグランプリとなった第11戦アイフェルGP。フェルスタッペンはどんな走りを披露するのか。ニュルブルクリンクで最後にF1が開催された2013年に優勝したチームであるレッドブルがどんな戦いをするのか。楽しみにしたい。

2020年F1第11戦アイフェルGP ポールポジションを獲得したバルテリ・ボッタス(メルセデス)と3番手のマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)

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