パブリック・エネミー、デフ・ジャム復帰作からジョージ・クリントンら参加「Grid」のビデオを公開

Photo: Courtesy of Def Jam/YouTube

パブリック・エネミーが、9月に発売したDef Jam復帰となるニュー・アルバム『What You Gonna Do When the Grid Goes Down?』からのシングルで、サイプレス・ヒルとジョージ・クリントンをフィーチャーした「Grid」のアニメーション・ビデオを公開した。インターネットや携帯電話が存在しない世の中に想像を巡らせている同ビデオは下記よりご覧いただける。

アイス・ジ・エンドレス(Ice The Endless)が監督を、ThatOneDudeZachがアニメーションを手掛けるこのパワフルな「Grid」のミュージック・ビデオは、70年代や80年代のアニメ作品へのオマージュで、パソコンやスマートフォンのスクリーンに依存している現代社会にこう疑問を投げかけている。

まるで80年代みたいだ(街中に悪魔たちがいた)/ 断ち切ろう。アプリがなくても手探りで(どこにいるんだ?)/新たな人との出会いにグリッドなんて必要ない/自分のサーバーさえも救ってはくれない/俺たちがウェブに取り憑かれているのは紛れもない真実だ

コミュニケーションの決裂は壊滅的だ/今目を覚まさなければ、いんちきピエロに呑み込まれてしまうのか?/ワールド・ワイド・ウェブという蜘蛛の巣の餌食になるだけさ/餌を嗅ぎつけて、いたるところに荒らしが蔓延っているが、知識がそれに取って代わるんだ

数週間前、フレイヴァー・フラヴとチャックDは深夜のTV番組“The Late Show with Stephen Colbert”に出演し、ジョージ・クリントンとサイプレス・ヒルのB・リアルをゲストに迎えて「Grid」のエネルギッシュなパフォーマンスを披露していた。

「Grid」は、今年6月の“米奴隷解放記念日”に合わせて彼らが発表した新曲「State Of The Union (STFU)」、そして今年8月にリリースし、豪華ゲスト参加が話題を呼んだ1989年の彼らの代表曲の最新リミックス「Fight The Power: Remix 2020」に続くシングルとなる。

これらの楽曲を収録し、9月に発売された(日本盤CDは10月23日発売)パブリック・エネミー20年振りのデフ・ジャム復帰作『What You Gonna Do When the Grid Goes Down』には、ラプソディーやビースティ・ボーイズのマイク・Dとアドロック、ザ・ルーツのブラック・ソートとクエストラヴ、ナズ、DJプレミア、アイス-T、Run-DMCといった錚々たる顔ぶれが参加している。

先日行われた米ビルボードとのインタビューの中で、チャック・Dは同アルバムでのコラボレーターについて次のように語っていた。

「それはスケールの大きな“クンバヤ”(黒人霊歌やゴスペルとして1950年代から60年代のアメリカのフォーク・リバイバルの流れで歌い継がれた)のようなもので、俺たちは皆、共に苦労を乗り越えてきた仲間です。俺がまだ幼い頃にリンゴ・スターが(ビートルズで)‘Get By With a Little Help from My Friends’という曲を歌っていたが、まさにこの曲の歌詞がそれを代弁している」

さらにジョージ・クリントンについては、「彼こそが第一人者。人々がアンクル・ジョージと心を通わせる時、彼らはファンクを探し求めてる。私は彼の“ファンクの哲学”とビジョンに注目しています。ジョージ・クリントンは過去、現在、未来の全てを兼ね備え、私たちに恩恵を与えてくれる存在なんです」と敬意を表している。

Written By Sophie Smith

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パブリック・エネミー『What You Gonna Do When The Grid Goes Down?』
2020年9月25日発売
国内盤CD 10月23日発売

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