フェラーリF1、ポルトガルGPのアップデートで新ディフューザーを導入へ

 フェラーリは2020年型F1マシンSF1000の開発を継続しており、第12戦ポルトガルGPでも空力パッケージを再度アップデートする予定だ。

 今季型フェラーリの主な弱点は、ドラッグが非常に大きいことと、エンジンのパワー不足であるといわれている。

 パワーユニット(PU/エンジン)が改善されるのは2021年になってからだが、フェラーリは現在マシンの空力面の改良に力を尽くしており、定期的にアップデートや変更を実施している。今週ポルティマオでもアップデートが行われると、チームのパフォーマンス開発責任者のエンリコ・カーディルは語った。

「我々はすでにソチでマシンの空力パッケージに小規模な変更を施し、他の物をニュルブルクリンクで追加した」と今週末のポルトガルGPを前にカーディルは説明した。

「ポルティマオではさらなるアップデートを投入する。主にディフューザーになり、この数カ月にわたって予定したプログラムがこれで完了する」

2020年F1第11戦アイフェルGP セバスチャン・ベッテルとシャルル・ルクレール(フェラーリ)

 フェラーリはポルトガルで、最近の変更によってチームが正しい方向に進んでいることを改めて確認しようとしている。

「最も重要なことは、我々の開発の方向性が正しいと確認することだ」とカーディルは付け加えた。
「最近の数グランプリにはポジティブな兆しがあり、今週末も同様であることを期待している」

「今年はかつてないほどに、次のシーズンを見据えた開発を考慮していかなければならない」

「同時にSF1000のパフォーマンス改善を期待している。少なくとも我々のマシンとドライバーが、現在コンマ数秒内で4位かそれ以下を争って戦うグループを率いるポジションにいるなら、それは非常に役に立つ」

「今年我々が予選で上位を争い、グリッド2列目や3列目を獲得できたのはわずか数回だ。今から12月までの我々の目標は、一貫してそのレベルの順位を争うことにある。だがまさにグリッドにおけるこの層の競争は激しく、ほんのわずかな差で4番手になったり12番手になったりする。だがこれもゲームの一部なのだ」

 カーディルはまた、フェラーリが2021年にふたつの開発トークンを使用し、SF1000のリヤエンドを変更する予定であることを認めた。

「各チームが独自の設計哲学を持っているという前提条件があるが、リヤエンドに最大の開発余地があるというのが我々の信念だ」とカーディルは語った。

「テクニカルレギュレーションにかなり大幅な変更が加えられるマシン領域であるというだけでなく、我々のマシンの設計から考えて、この部分に大きな進歩を実現することができると確信している」

「それがまさにこの領域に、ルールで許されている2トークンの使用を決めた理由だ」

「来年は、マシンの基本コンポーネントはすべて変更が許されない。だが、一部は可能であり、FIAはトークンの割り当てを定め、どのチームも2トークンを使用することが可能になっている」

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