「産んでもらった恩」をテーマに 書家・紫舟さん 27日まで高島屋横浜店で個展

作品「行かざれば至らず。龍の如く。為さざれば成らず。鯉の如く。」の解説をする紫舟さん=24日、高島屋横浜店美術画廊

 多様な表現方法で書の魅力を伝えている書家・紫舟(ししゅう)さんが、横浜駅西口の高島屋横浜店美術画廊で個展を開いている。「─祈り─産んでもらっただけで一生かけても返せない恩がある」をテーマに、書や彫刻など計50作品を展示。コロナ禍の今、「作品を通して自分に意識を向け、心が軽く、晴れやかな気持ちになって」と呼び掛けている。27日まで、入場無料。

 会場には書道作品「一心」をはじめ、文字を立体化した彫刻「我、成す」などを紹介。書画「行かざれば至らず。龍の如く。為さざれば成らず。鯉の如く。」は高さ約1.5メートル、幅約2メートルのびょうぶに描いた作品。「ええ塩梅」など初披露の10作品も並ぶ。

 コロナ禍の自粛期間中に約30点を制作したという紫舟さんは「ネットやメディアでは誹謗(ひぼう)中傷が絶えない。他者ではなく、自らと向き合う心構えで制作にあたった」とし、「アートにも祈りの力がある」と作品に込めた思いを語った。

 問い合わせは、同店電話045(311)5111。

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