F1第12戦ポルトガルGP予選トップ10ドライバーコメント(2)

 2020年F1第12戦ポルトガルGP予選でポールポジション~5番手に入ったドライバーたちが土曜日を振り返った。

■BWTレーシングポイントF1チーム
セルジオ・ペレス 予選=5番手

2020年F1第12戦ポルトガルGP セルジオ・ペレス(レーシングポイント)

 今日はマシンから最大限の力を引き出せたと思う。5番手は僕らが今日確保できる最大の結果だ。金曜日には最適なセッティングを探り出すのに苦労していたから、この結果を出せたのは本当にチームのおかげだよ。今日の午前中にマシンを大きく変更し、パッケージを大幅に改善することができた。

 コース上のコンディションがどれだけ難しかったか分かるよね? Q3で風が強くなると速いタイムが出なくなり、Q2よりQ3の方が遅くなった。最終セクターのタイムを見れば明らかだ。

 タイヤに熱を入れるのが難しく、同時にオーバーヒートさせないようにしなければならず、本当に大変だった。時には最適な温度にするのに何周もかかった。

 1周ごとに状況が変化していたが、僕らはQ1とQ2でいいリズムをつかみ、それをQ3に持ち込むことができた。

 メルセデスとレッドブルが僕らよりずっと先にいるのは明らかだが、彼らの下はかなりの接戦になっていて、僕らもそのなかで戦っている。

 グリッドのきれいな側の5番手を確保したから、いいスタートを切ることができれば、何だって可能だし、大量ポイント獲得の可能性もあるよ。

■スクーデリア・フェラーリ
シャルル・ルクレール 予選=4番手

2020年F1第12戦ポルトガルGP シャルル・ルクレール(フェラーリ)

 自分のラップにとても満足している。今日はマシンからすべてを引き出せたと思う。マラネロのスタッフ、サーキットの現場にいるスタッフの全員が素晴らしい仕事をしてくれたおかげだよ。

 ここに投入した最新のアップグレードのおかげで多少マシンのパフォーマンスが向上した。ここ数戦の予選を見れば、僕らが正しい方向に向かっていることは明らかだ。

 昨日の時点ですでに、土曜日については良い感触を抱いていた。ただ、レース前に目を向けておくべきことは、まだいろいろとあるけれどね。

 それでもミディアムタイヤでQ2を突破できたことを、とてもうれしく思っている。なぜならこれがレースのスタートに理想的なタイヤだと、僕は確信しているからだ。

 ドイツでは気温が低いなか、ソフトタイヤに苦しんだが、ここはそれほど寒くはないし、僕らはミディアムでスタートできる。

 いいスタートを切らなければならない。それができれば、好結果をかけて戦えるだろう。

■アストンマーティン・レッドブル・レーシング
マックス・フェルスタッペン 予選=3番手

2020年F1第12戦ポルトガルGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が予選3番手を獲得

 今日の予選には満足している。Q3のラップはまずまずだったし、3番手というのはいいスタートポジションだ。

 再舗装された路面のため、タイヤを適切なウインドウに入れるのがとても難しい。その点で全員が同じ条件ではあるが、うまくいったりいかなかったりという状況だった。でも僕らはメルセデスから大きく遅れているわけではないし、明日はあらゆるチャンスがあると思っている。

 スタートが重要だ。僕はソフトタイヤだけど、周囲のマシン(注:前のメルセデス勢と後ろのシャルル・ルクレール)はミディアムでスタートする。でも、ここでタイヤがどれぐらい持つのか、どのチームも十分な情報を持ってはいない。

 手探り状態でレースに臨むことになるが、いつもどおり全力でプッシュしていく。タイヤに予測不可能な要素があることが時に興味深い状況につながることがある。風が強くなり、雨が降れば、余計に未知の要素が増えることになるね。でも僕としてはどんなコンディションであっても、明日メルセデスに挑戦可能なポジションで戦えるのではないかと思っているよ。

(予選後の会見で語り)3番手を獲得できたのはいいことだけど、予選を通して少し混乱していた。予選の自己ベストタイムはQ1で出したものだ。その後はそのタイムには届かなかった。グリップが変わってしまったんだ。Q2、Q3と進むに従って、ラップを決めるための時間が少なくなる。僕らはタイヤを最適なウインドウに入れることに苦労するようになった。それでもQ2よりQ3の方が最初の計測ラップでの感触はよかったんだけどね。

■メルセデス-AMG・ペトロナスF1チーム
バルテリ・ボッタス 予選=2番手

2020年F1第12戦ポルトガルGP 予選2番手のバルテリ・ボッタス(メルセデス)とポールポジションを獲得したルイス・ハミルトン(メルセデス)

 予選は、最後のランまではうまくいっていた。Q2でのフィーリングをもとに、最後のランをミディアムタイヤで走ることにした。あとは燃料を計測ラップ1周分積むのか、3周分積むのかが問題だった。

 どんなことにもプラスとマイナスがある、1周の場合、燃料の重量を軽くできるが、タイヤのウォームアップに苦労する可能性があった。でもQ2でうまくいったので、1周でいくことに決めた。

 今週末はクリーンなラップを走るのが簡単ではなく、最後のラップはまずまずではあったが完璧ではなかった。このコースとこの路面にはそういうチャレンジがある。

 今週末、プラクティスではずっとトップタイムを出してきただけに、ポールを逃したことは残念だ。でも明日2番グリッドから優勝を狙って戦うつもりだよ。

(予選後の会見で語り)最後のランで1周だけ走るというのは自分自身が決めたことだ。Q2では機能したやり方だった。でも、アタックラップ2周を走ったルイスの方がうまくいったようだ。

 結局のところ(僕が選んだのは)間違った決断だったということになる。(最後のランでは)路面温度が少し下がり、タイヤの感触がQ2とは違っていた。ラップの終盤になって「あと1周あればよかったのに」と思ったよ。もちろん燃料が足りないから走れなかったけどね。僕自身が間違った判断をした。悔しいけれど、結局のところはルイスが最後にとてもいい仕事をしたということに尽きる。

(全プラクティスでトップに立ちながら予選で首位を逃したことについて)悔しいとしか言いようがない。フリープラクティスでトップに立ったって何にもならないからね。でもさっさと忘れてしまうしかない。これは単なる予選だ。決勝は明日なのだし、自分に速さがあることは分かっている。

ルイス・ハミルトン 予選=1番手

2020年F1第12戦ポルトガルGP ルイス・ハミルトン(メルセデス)がポールポジションを獲得

 今日の予選がどれだけ大変だったか、言葉では表現できないよ。マシンは強力だったが、必死に走らなければいいラップタイムを引き出すことはできない。しかもバルテリは今週末、とても速かった。だからタイムを縮めるために懸命に努力を重ねた。

 チームは僕らとしっかりコミュニケーションを取って、最終的にどうするかの選択肢を与えてくれた。僕は彼(ボッタス)のタイムを破るチャンスを得るために、3周走るという選択をし、彼は1周走ることを選んだ。自分の選択によってチャンスが生まれるかもしれないと思っていたが、そのとおりうまくいき、最後のラップではどんどんよくなっていったんだ。

 ここは手強いサーキットで、自分がどこに向かっているのか見えない場所もある。そういうところでは空しか見えないから、例えばブレーキングポイントの基準を決めることができないんだ。これまでに訪れたサーキットの中で最もチャレンジングな場所のひとつだよ。新しく舗装された路面によって、タイヤを最適の状態に入れ、どのタイヤもうまく機能させるということが難しいからなおさらだ。

 今週末素晴らしい仕事をしてくれているチームに心から感謝する。そして、今日サーキットまで来てくれたファンの皆にも感謝の言葉を贈りたい。コースから彼らのフラッグが見えてとてもうれしかった。

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