【新型コロナ】輸血用血液不足、ピンチ 街頭献血が限られ献血者数が減少、手術再開で需要は急増…

横浜駅前で献血を呼び掛けるフリ丸=26日午後、横浜市西区

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、神奈川県内で輸血用血液が不足する危機的状況が続いている。街頭献血の実施会場限定で献血者数が減少している一方、手術再開に伴う輸血需要急増が深刻さに拍車を掛けている。県赤十字血液センターは「非常に厳しい局面を迎えている」とし、プロサッカーチームなどと連携した献血キャンペーンを展開して協力を呼び掛けている。

 献血量は、緊急事態宣言発令などを受けて外出自粛が求められた4月から激減。7月以降も、在宅勤務や遠隔授業の推進により献血バスの配車先が減っていることから、1日に必要な献血者数「900人」を大幅に下回る日々が続いている。7月1日~9月30日で900人を上回った日は約3分の1にとどまり、厳しい状況だ。

 一方、コロナ感染者対応などで延期されていた手術が再開され、1日に必要な輸血量が急増。400ミリリットル全血輸血を由来とする赤血球製剤は適正在庫を下回る日々が続いているという。

 事態の打開に向け、血液センターは鉄道事業者「湘南モノレール」やサッカーJ1所属チームなどと連携して献血者確保策を展開。26日は横浜FCの公式キャラクター「フリ丸」が、横浜駅近くの街頭献血会場に初登場し、買い物客らに協力を呼び掛けた。チーム担当者は「ホームゲーム戦でも献血をPRしたい」としている。

 ただ、「11月から4月までの冬季期間は例年、献血者数が減る傾向にある」と血液センター担当者。県内各地の街頭献血や横浜駅西口などの献血ルームで12月まで、ビオラやバラといった季節の花をプレゼントする「はなさか献血キャンペーン」を実施する予定だ。

 移動献血バスの日程は血液センター公式サイト、または同センター、電話045(834)4611。

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