捉え方を変えれば世界が変わる!? 逆境から学ぶリフレーミング

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。10月7日(水)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、メンタルトレーニング指導士の田中ウルヴェ京さんが“リフレーミング”について解説しました。

◆アスリートが逆境時に行うリフレーミングとは?

競泳の「日本学生選手権(インカレ水泳)」2日目が10月2日、東京辰巳国際水泳場で行われ、女子400mリレー予選で白血病からの完全復活を目指す池江璃花子選手が日大の第3泳者で泳ぎ、引き継ぎタイムで56秒19をマーク。チームの決勝進出に貢献しました。

池江選手をはじめ、多くのアスリートが逆境のときに使うという"リフレーミング”を紹介。このリフレーミングとは、心理療法(認知行動療法)のテクニックの1つで「簡単に言うと、フレーム(frame)とは枠組みという意味で、物事を見る枠組みを変え、別の枠組みで見直す、なのでリフレーム(re-frame)」と田中さんは言い、その目的について「小さい視野で見ていたことによって怒っていたり、焦っていたりすることの解決行動を見つけるため」と解説。

また、フレームのことを"事実の捉え方”と言い、「私たちは人によって事実の捉え方、つまりフレームが違う」と田中さん。例えば、お店が混んでいる状況を見たとき、赤メガネのフレームで見た人は「何なんだ、コロナ禍なのに!」と"密”の状態に怒る人がいるかもしれませんが、それは間違っているわけではなく、「その人のフレームのなかでは、店が混んでいるのはいけないことだと思っている」と説明。一方、同じ状況でも青メガネで見た人は、「今のところ(繁盛していて)よかったね。でも秋冬はどうなるかわからないから、(コロナの影響も)みんなで乗り切っていければというフレームで見る人もいる」と言います。

ただ、これはどちらもその人が思うフレーム(事実の捉え方)であって、「店が混んでいること自体は良いか悪いかは判断できない」ものの、それが"病気”となると事実の捉え方が変わると田中さん。

◆今日からすぐにできるリフレーミング

病気という事実は良いか悪いかで言えば、身体的にも「悪いこと」。それだけに、病気になったときに「病気は良くない。大変。もう終わりと思うのは当たり前だし、無理もないこと」と田中さんは言います。

しかし、そのままの心情でいると何もできませんが、病気になった事実に対し、怒ったり、悲しんだり、ときには諦めたり、さまざまな心理や感情が入り混じるなかで、それらの感情を出していくと「『もう終わり?』って私は発言したけど、それって本当かしらと思えるようになる」と話します。さらに、「病気になった事実は変わらないけど、今の自分でできることは何かというリフレーミングができると、具体的な行動一つひとつが見つけられるようになる」とリフレーミングの方略について説明。

リフレーミングの定義を一通り解説したところで、田中さんは視聴者が今日からできることを紹介。例えば、苦手な上司がいた場合、現実にはありませんが"良いことしか見えないメガネ”をかけてみればいいと提案。そう捉え方を変えてみることで、「"この上司、最悪!”と思っていたことも、この人はちょっと厳しい言い方だけど正論、正しいことをはっきり言う人と思うことが可能ではありませんか?」と投げかけます。

また、仕事で行き詰まったとき。"他人のメガネ”をかけてみることに例え、先輩だったらこの状況をどうするだろうと考えてみることで、「ちょっと違った発想で仕事が進められるかもしれない」と田中さん。

しかし、大事なのは「自分自身が良いことしか見えないメガネで物事をちゃんと見ること。その時間を作ること」。"どうせ私はバカだから……”とか、"失敗したから人生終わり”といった考えは、リフレーミングすることで「それも良い経験だと捉えることも可能」と明言。総じて田中さんは、リフレーミングとは「"つまり、どういうこと?”って自分に語りかけることなので、それを積み重ねること。特に逆境のときに見方を変えるのは大事」と提言していました。

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<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/morning_cross/
番組Twitter:@morning_cross

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