インディアンスがセーブ王・ハンドをウエーバーに 財政難の影響か

「ジ・アスレチック」の報道によると、インディアンスは今季両リーグ最多の16セーブをマークしたブラッド・ハンドをウエーバー公示したようだ。ハンドは来季の契約が年俸1000万ドルの球団オプションとなっているが、財政難のインディアンスがこのオプションを行使する可能性は低いと見られている。他球団がウエーバー公示されたハンドの獲得を希望した場合、インディアンスはオプションを破棄する際のバイアウト100万ドルを支払う必要がないため、資金の節約を目的とした動きと言えそうだ。

インディアンスのクリス・アントネッティ野球部門社長は、来季のペイロールについて具体的な言及を避けたものの、新型コロナウイルスの影響で今季よりも縮小される可能性が高いことを示唆した。よって、1000万ドルもの年俸をリリーバーに費やす可能性は低く、オプション破棄は確実。オプションを破棄する場合、バイアウト100万ドルを支払う必要があるため、それすらも節約するためにウエーバー公示したというわけだ。

とはいえ、ハンドのインディアンス退団は確実であるため、他球団はオプションが破棄されてハンドがフリーエージェントになるのを待ち、より安価な金額でハンドと契約交渉を行うこともできる。したがって、ハンドに支払う年俸1000万ドルが適切であるかを他球団がどう判断するかがポイントとなりそうだ。

現在30歳のハンドは、今季23試合に登板して2勝1敗16セーブ(成功率100%)、防御率2.05、奪三振率11.86、与四球率1.64の好成績をマーク。しかし、ポストシーズンで唯一の登板となったワイルドカード・シリーズ第2戦(対ヤンキース)でセーブに失敗して逆転を許し、残念な形でシーズンを終えることになってしまった。

なお、インディアンスにはジェームス・カリンチャックやエマニュエル・クラーセといった若くて生きのいいリリーバーがおり、ハンド退団後は彼らがクローザーの座を争うことになると見られている。

© MLB Advanced Media, LP.