巨人が2年連続38度目のV! 中日負け、阪神引き分けで10回表抑えた時点で異例の決定

巨人・原辰徳監督【写真提供:読売巨人軍】

原監督は12~14年以来の連覇で通算9度目V

■巨人 3-3 ヤクルト(30日・東京ドーム)

巨人が30日のヤクルト戦(東京ドーム)に延長10回の末3-3で引き分け、2年連続セ・リーグ38度目、1リーグ時代を含めると47度目の優勝を決めた。今季、セ・リーグではCSは行われないため、11月21日からパのCSを戦うソフトバンクと2位チームの勝者と日本シリーズに臨む。

この日まで5連敗だった巨人。先発の今村が3回に廣岡に右翼席へソロを被弾し、先取点を許した。嫌な雰囲気が流れたが、その裏2死二塁から4番・岡本がヤクルト先発・歳内の内角球を最後は左手一本で芸術的にさばき、逆転2ラン。その後、両軍とも点を取り合い、3-3で試合は延長戦へ。マジック対象の中日が敗れ、阪神が引き分けたため、巨人が10回表を無失点に抑えたところで引き分け以上が決まり、優勝となった。

今年は新型コロナウイルスの感染拡大で開幕が3か月遅れ。公式戦史上初の無観客試合で、段階的に観客数増加させてきた。レギュラーシーズンは143試合から120試合に短縮。過密日程の中、セ・リーグはクライマックスシリーズはなし。特別なシーズンを優勝だけを目指し、戦ってきた。

それでも巨人は安定したスタートダッシュを見せた。開幕9連戦を終え、6勝2敗1分。しかし、頼みの丸が一時は打率が1割台に低迷するなど、不振だった。打順も3番から2番、6番、5番と打順が移ったが、経験豊富な丸はしっかりと修正。最終的にはリーグトップの岡本に続く、26本塁打を放つまで状態を上げてきた。3番・坂本、4番・岡本の後にいる5番・丸は脅威の打線となり、打線を引っ張った。丸は広島在籍時の3連覇に続いて、巨人でも連覇。杉内俊哉(現巨人2軍投手コーチ、10~11年ソフトバンク、12~15年巨人でV)以来の“ひとり5連覇”を達成する喜びを味わった。

エース菅野は開幕から13連勝、主将・坂本もチームを牽引

原監督は若手やベテランの調子を見極め、積極的に起用した。ベテランの中島も打撃が復活し、7本塁打と勝負強い打撃を見せた。2軍から推薦のあった選手を昇格させるとすぐにスタメンで起用。立岡らが昇格即、本塁打を放ち、勝負を決めるなど、チーム内の活性化は見事だった。楽天から移籍したウィーラーや高梨も活躍。特に高梨の加入で不安定だった中継ぎの層は厚くなり、中川が怪我で離脱しても、変わらない信頼感があった。

ヤクルトから加入した石井琢朗野手総合コーチの加入も大きかった。様々な打撃練習方法を取り入れ、若手に技術を注入。若い打者たちはしぶとく、強くなった。昨年に続き、宮本投手チーフコーチ、元木ヘッドコーチが明るい雰囲気作りを務めた。エース菅野は開幕から13連勝という偉業でチームを牽引。連敗中でも主将の坂本らが下を向くことなく、目の前の勝利を奪うために全力で取り組んだ。

原監督は第一次政権の02年、07~09年、第二次政権の12~14年、そして第三次政権の19~20年で合計9度目のリーグV。本拠地・東京ドームで優勝の瞬間を迎えるのは2013年以来、7年ぶりとなった。日本シリーズは本拠地は都市対抗野球で使用するため、京セラドーム大阪に舞台を移すが、昨年、ソフトバンクに4連敗した悔しさを晴らすため、明日からまた新たな戦いが始まる。

【動画】珍しい歓喜の瞬間! 延長10回を守り切って優勝を決め、喜びを爆発させる巨人ベンチ

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(Full-Count編集部)

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