屋形船支援へ 東京・品川区、乗船料の半額を補助

新型コロナウイルスで大きな打撃を受けた「屋形船」観光を支援しようと、東京・品川区は船に乗る料金の半額を補助するキャンペーンを始めることにしました。

水辺観光の中心的な役割を担う屋形船の経営を救おうと、品川区は11月1日から新たな取り組み「エンジョイしながわ屋形船キャンペーン」を始めます。区内の屋形船に乗るおよそ1万人を対象に、1人当たり5000円を上限として料金の半額を補助するというものです。1万1000円コースの場合は5000円を補助して乗客の負担は6000円に、8000円コースの場合は半額の4000円が補助されます。

キャンペーンを行う背景には苦境に立たされている屋形船の経営があります。新型コロナウイルスの感染拡大のため、観光産業は大きな打撃を受けました。創業30年以上となる「船宿 平井」も当時、予約のキャンセルが相次ぎました。東日本大震災やリーマンショックの時以上にダメージは大きく、廃業の2文字も頭をよぎったといいます。今回のキャンペーンを状況を打破する起爆剤にしたいと意気込んでいて、店では船内の改装に取り組みました。テーブルの前にはアクリル製の仕切りを設置し、消毒液も配置、さらに団体用のカラオケもマスクかフェイスシールドを着用してもらいます。

キャンペーン開始を前に、船宿の経営者と品川区の担当者が集まった最終打ち合わせでは、事前のPRで問い合わせが多く寄せられていることを反映した質問が相次ぎました。

未知のウイルスによって一時はどん底にたたき落とされた品川区の屋形船事業者は、復活に向けて先を見据えた取り組みを進めています。

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