ウィズコロナの江の島観光分析 スイカ活用、JRと藤沢市

江の島

 神奈川県藤沢市、同市観光協会とJR東日本は12月から、交通系ICカード「Suica(スイカ)」のビッグデータを使い、鉄道を利用して近隣から江の島などを訪れる観光客の行動を分析する共同調査を始める。地元の再発見や近隣への旅行がウィズコロナ時代の観光として注目される中、観光施策の基礎データとするほか、コロナ禍によるトレンドの変化も調べる。JR東が自治体と連携してスイカのデータを本格的に活用するのは初めてという。

 共同調査は、対象期間として新型コロナウイルスの感染拡大前の昨年2月から来年1月までを設定。定期券以外の利用者について、駅改札を入出場する際に記録されるデータを用い、個人が識別されないよう統計処理した上で図表化する。

 1カ月ごとの観光目的来訪者の人数、男女や年代の比率、駅利用の時間、滞在時間、時間帯別滞在者数などを調査。月別の分析結果をリポートとしてまとめる。

 東京や八王子・相模原方面からの来客が、江の島に何時間滞在し、その後、どこへ向かったのかといった行動歴も把握。その上で、ウィズコロナ、ポストコロナ時代を見据え、地元を再発見する滞在・宿泊型観光に主眼を置くマイクロツーリズムの企画立案に反映させる。観光地が混雑する時期や時間帯などを調べ、密の回避も念頭に置いた通年型、分散型観光の振興にも役立てる。

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