宇久メガソーラー建設 市に行政不服審査請求 公園使用許可は「不当」 長崎県佐世保

 九電工(福岡市)などが長崎県佐世保市宇久島で計画する国内有数の大規模太陽光発電所(メガソーラー)建設を巡り、佐世保市が事業者に、公園敷地に作業員宿舎を整備する「目的外使用」の許可を出したのは不当とし、島民が2日までに許可の取り消しを求める行政不服審査を請求した。
 請求したのは元区長の大岩進さん(82)。事業者は本年度に工事を始める予定で、宇久町総合公園敷地約2ヘクタールに千人規模の作業員宿舎を建設するため、2月に市から許可を受けた。市は許可理由の一つに「地元の要望」を挙げる。
 大岩さんらによると、2018年に島内26地区のうち23区長が、早期着工への支援を求めて署名した要望書を市に提出。だが、要望書は事業者側が個別に回って集めたもので、当時の区長19人が「地区の総意ではない」とし、今年8月に市に撤回を申し入れた。
 大岩さんは「市は許可を出す理由を失った。計画を見直すべき」と主張。市は「請求書類を精査しており、今後、審査について検討する」としている。
 事業は島の約3割に当たる約700ヘクタールを使う予定。事業者は島内外の地権者と借地契約を結び計画を進めている。一方、住民団体からは計画の説明不足などを指摘する声も出ている。

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