アボカド待望の実 栽培3年目、初出荷

熱帯の果実、アボカドを収穫する山川さん=松浦市御厨町

 コクのある味わい、ネットリとした独特の食感で人気の熱帯の果実アボカドを、長崎県松浦市御厨町の農業、山川重晴さん(75)が栽培している。苗木を植えて3年目の今年、待望の実を付け、初出荷にこぎ着けた。
 アボカドは良質の不飽和脂肪酸を含み、“森のバター”と称される。国内で販売されるアボカドの99%以上がメキシコなどからの輸入品。国内では和歌山、愛媛県で栽培されているが生産量が少なく、希少品として珍重されているという。
 山川さんは、市農業委員会会長を務めるベテラン農家。年齢的に中腰の多い農作業が厳しくなってきたため、作業が楽な作物を探しアボカドに注目した。
 3年前から同町内の1500平方メートルのビニールハウスに、アボカドの苗木と、未完熟の実が健康野菜として市場の需要があるパパイヤの苗木を合わせて約90本植えて栽培を始めた。
 アボカドは低温に弱く、温度管理が難しい作物。日本に輸入されるほとんどが「ハス」という品種だが、山川さんが育てているのは実が大きく味が良い「ベーコン」「フェルテ」「ピンカートン」という別の品種。農薬をなるべく使わない栽培をしているという。
 300グラムから400グラムに育った実を収穫。山川さんは「アボカドは栽培が難しいが、国内産は食味も良く、需要が見込める。栽培法は手探りだが、技術を確立して、松浦の名産品にしたい」と意気込んでいる。

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