福島の記憶 「ありのままに」写真80点展示 川崎

防護服を着て墓参りをする住民=2014年3月、福島県大熊町(飛田さん提供)

 東日本大震災後の被災地の様子を伝える写真展「福島の記憶3.11で止まった町」が、5日から川崎市多摩区役所で開かれる。福島県三春町在住の写真家・飛田晋秀(ひだしんしゅう)さんが撮影した80点を展示。9日まで。入場無料。

 日本の職人の撮影を専門とするプロカメラマンだった飛田さん。原発事故後は、「事故を風化させない。状況をありのまま伝えよう」と各地で精力的に写真展や講演会を続けている。

 今回の写真展は、住民が防護服姿で墓参りをする姿や野生化したダチョウが路上を歩く様子などの写真を並べ、原発事故が人々の生活にもたらした悲劇を伝える。飛田さんは「後世への警鐘として多くの人に見てもらいたい」と来場を呼び掛けている。

 主催は同区を中心に活動する市民団体「地域から平和を考える会」で、16日には核のごみ処理を考えるドキュメンタリー映画「チャルカ~未来を紡ぐ糸車~」の上映会を市アートセンター(同市麻生区)で開く。午前10時から(開場は同9時半)で入場料800円。

 問い合わせは、同会の森悦子さん電話080(6617)3997。

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