大事故・災害に備え連携 3消防本部など合同訓練

負傷者役を搬送する消防隊員ら=松田自動車学校

 大規模事故・災害に連携して対応しようと、神奈川県小田原市と箱根、湯河原両町の消防本部などの合同訓練が2日、松田自動車学校(開成町吉田島)で行われた。3消防のほか、松田署や開成町役場、箱根登山バスなどから約70人が参加した。

 訓練は大規模イベントの会場に向かうバスが何者かに乗っ取られ、運転手がハンドル操作を誤って発着所に停車中のバスに突っ込み、多数の重軽傷者が出たという想定で実施。来年の東京五輪では、自転車のロードレース競技のゴールとなる富士スピードウェイ(静岡県小山町)へのシャトルバスが小田急線開成駅から出る関係で設定された。

 119番通報の転送を受けて駆け付けた同署員が犯人を取り押さえて現場の安全を確保。その後、各地の消防・救急隊が到着して負傷者らの対応に当たった。隊員らは現場や救護用テントで応急手当や負傷の程度を判定するトリアージなどを行い、次々とやってくる各消防の救急車に搬送した。小田原市消防本部警防計画課の奥川誠二課長は「頼りになるのは近隣の消防。顔が見える信頼関係を深めたい」と話していた。

 訓練は1999年8月に山北町玄倉で起きた水難事故を教訓に毎年開かれ、今回から松田署が参加した。各消防本部が連携して対応した事例は、2015年の新幹線火災などがある。

© 株式会社神奈川新聞社