新上五島拠点 無人ヘリ物流検証 町とJAL、ヤマハ発動機など

鮮魚を積んで離陸する産業用無人ヘリコプター=新上五島町、有川港

 日本航空(JAL)や長崎県新上五島町、ヤマハ発動機などでつくる町ソリューション協議会は4日から、同町を拠点に産業用無人ヘリコプターを使った物資輸送の実証実験を始めた。12日まで就航率や気象データを集める。
 情報通信技術(ICT)などを活用し離島地区の課題解決を図る、国土交通省のスマートアイランド推進実証調査の一環。今回の実験は同町から、小値賀空港(北松小値賀町)や佐世保市俵ケ浦町の白浜キャンプ場を往復し鮮魚や物資を運ぶ。同省は、集めたデータや地元住民のニーズを年度内に集約する方針。新型コロナウイルス感染検査や、首都圏に向けた物流の円滑化を図る目的がある。
 使用するヘリは、ヤマハ発動機製の「FAZER R G2」。最大で連続100分の飛行ができ、JAL本社から衛星通信システムを使って遠隔操作する。
 4日午前は、新上五島町で水揚げされたイシダイなどの鮮魚約10キロを、同町の有川港から約56キロ離れた佐世保の同キャンプ場までヘリで運び、陸送後、長崎空港からJALの定期便に乗せ替え、陸路と併せ東京都内の飲食店に届けた。同日午後は、小値賀から新型コロナの検体を模した物資を乗せ、有川港で車両に移して上五島病院へ運んだ。
 新上五島町の担当者は「住民の利便性向上のため、新しい技術を使い企業とさまざまな取り組みをしたい」とした。

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