楽天経済圏を使い倒すには?何のサービスを使ってポイントを倍増させられるか

今後の経済の動向もどうなることやら……不安定な世の中だからこそ、少しでもお得で、便利なサービスっていいですよね。

さまざまなポイント制度が乱立していますが、その中で勢いがあるのは楽天スーパーポイント。SPUという、楽天のポイントアッププログラムを活用しながら、お得に楽天のサービスを利用することを、楽天経済圏で生活すると呼んでいる人もいます。

楽天経済圏の中でも、「サービス自体が良いもの」を使い倒しポイントを活用してお得に生活する。この見極めが重要と思い今回は筆をとることにしました。

注意が必要なのは、あくまで「サービス自体にメリットがある」からサービスを利用するべきで、「ポイントが貯まるからサービスを使う」とならないことです。主従関係が逆転してしまい本末転倒になります。今回は「サービスも良くてポイントも貯まる」というサービスを中心に、楽天経済圏を「お得に活用する方法」と、「注意点」についてお話をしていきたいと思います。


楽天ポイントを貯めるならSPUを活用

SPUとは、「スーパーポイントアッププログラム(Super Point Up Proguram)の略で、楽天の各種サービスを使うと、楽天市場でサービスを利用したときに貯まるポイントが上乗せされていくサービスです。

楽天市場での買い物が最大16倍のポイントが付くしくみになっています。当たり前ですが、このサービスを利用するには「楽天会員」になる必要があります。会員になることで、楽天市場での買い物は購入金額の1%分が付与されます。

そして、楽天スーパーポイントが使えるサービスは、ECモールの楽天市場にはじまり、楽天トラベル、楽天モバイル,楽天ひかり、楽天カード、楽天のほけん、楽天市場アプリ、楽天電気、楽天ブックス、楽天銀銀行、楽天証券、楽天Kobo、楽天Pasha、楽天TV、楽天ビューティなど多岐にわたります。2020年10月26日から一部の地域では楽天ガスがはじまりました。

注意)ポイント付与倍率の増加には、各サービスごとに最大付与数の上限や、付与されるポイントの有効期限など細かい条件があります。詳しくは楽天の各サービスサイトを確認ください。

まず、「これは押さえておきたいサービス」からご紹介していきます。

1)楽天カード +2倍
楽天カードに申し込み、楽天市場でお買い物をするとポイントが+2倍となります。楽天会員であれば、楽天での買い物は1%分の楽天スーパーポイントがつくので、合わせると3%のポイントになります。キャンペーンの時期によっても異なりますが、新規入会と一定の条件のカード利用をすると5,000ポイントが貯まるので、それだけでお得になります。

ここで、細かい話しになりますが、楽天カードはカードのブランドを、VISAやマスターカード、JCB、アメックスから選ぶことができますが、JCBがデフォルトになっていて、何も考えずに登録するとJCBになります。

マニアックな話しですが、例えばプリペイドカードのKyashと連携させてポイントの2重どりをする人は、KyashがVISAやマスターカードには対応していますが、JCBには対応していないので注意が必要です。

2)楽天銀行+楽天カード +1倍
楽天銀行も非常に便利な銀行なので、開設しておいて損は無いでしょう。楽天銀行を楽天カードの口座引き落としにしておくと、+1倍に。楽天銀行は、後述の楽天証券との連携によって、普通預金の金利が0.1%になります。他の銀行が0.01%や0.001%の金利なので銀行の普通預金口座としてはかなり良い条件です。

3)楽天証券 +1倍
つみたて投資をはじめるなら、SBI証券にならんでオススメなのが楽天証券です。私の個人的な意見としては画面の使いやすさを考えると、ポイントが無くても一番良いネット証券会社と思っています。ポイントを使って投資信託を購入すると+1倍というマニアックな設定です。もう少し詳細にお伝えすると、500円分の楽天スーパーポイントで投資信託を購入し、楽天証券上のコースを「楽天ポイントコース」を選択する必要があります。まぎらわしいのですが、「楽天証券ポイントコース」というのを選ばないようにしてください。

また、楽天証券では、毎月5万円までは楽天カードで投資信託を購入することができ、その際、購入金額の1%のポイントがたまります。5万円の投資ができれば、500ポイントが貯まるので、+1倍が毎月達成できるようになります。ちなみに、この楽天カードで投資信託を買うということは、つみたてNISAにも対応していますので、つみたてNISAの毎月の上限を3.3333万円投資分は楽天カードで買うとお得です。

また、ポイントの話ではないですが、楽天証券と楽天銀行を「マネーブリッジ」という自動入出金(スイープ)サービス設定にすることで、先の楽天銀行の普通預金の金利が0.1%になります。※利息には、源泉分離課税20.315%がかかります。

まだまだあるポイント倍増サービス

4)楽天モバイル +1倍
楽天モバイルは、2020年10月現在、月額2,980円のプラン料金が1年無料になっています。先着で300万人が対象す。楽天回線エリアでは、通信が高速で無制限に使えます。パートナーエリアでは、5GBまで高速で使えますが、5GBを超えると最大1Mbpsで使い放題になります。

最大1Mbpsは、スマートフォンでYouTubeを観る分にはそれほどストレスなく見られる速さといえるでしょう。楽天回線エリア外に住んでいて、パソコンなどのテザリングをメインで利用する人の場合は適していないかもしれません。

楽天モバイルも加入するとポイントが+1倍になります。5Gにも参入しており、今後利用エリアを拡大していく模様ですが、2,980円で使い放題の設定から値上げされずに利用できるようです。

楽天モバイルのさらに良いところは、利用してみて使い勝手が合わなかったら他社へ乗り換える際に違約金がかからないことです。

5)楽天ひかり +1倍
楽天ひかりは、今年の6月以降、IPv6の高速インターネットになったので使い勝手がよくなり、サービスのわりに1年目は2,800円/月と、比較的安いのがメリットです。2年目からはマンションプラン(集合住宅)は3,800円、ファミリープラン(戸建て)は4,800円になります。

こちらは、楽天モバイルのRakuten UN-LIMITの契約で1年間無料になるようですので合わせて使うと更にお得ですね。

ただ回線のスピードについては、住んでいるエリアの回線状況によってもかわりますし、NURO光などの超高速サービスではないので、回線が混んでいると通信が遅くなることがあり、初期費用や初期工事費は、契約する人の環境によって異なるで詳しくは、楽天に問い合わせください。

6)楽天市場アプリ +0.5%
楽天市場で買い物をする際、楽天市場アプリを立ち上げてから買い物をするとポイントが0.5倍になります。立ち上げが面倒くさいですが、中で売っているものはWEBブラウザでもアプリでも変わりません。せっかくなので0.5%をしっかり獲得したいですね。

さて、ここまでが筆者が利用したほうがお得と考える楽天のサービスになります。設定するとと、7.5倍ポイントが貯まることになります。各サービスが非常に便利なサービスなので検討する価値があると思います。

「楽天での買い物が多い人」が検討しても良いサービス

続いて、「楽天での買い物が多い方」に限っては、検討しても良いサービスの紹介です。

■楽天ゴールドカード +2倍
楽天ゴールドカードや、楽天プレミアムカードになると先の楽天カードの+2倍に加えて+2倍が付与されます。楽天ゴールドカードは年会費が2,200円(税込み)発生するので、計算上、年間に11万円以上楽天市場で買い物をする場合はお得となります。

楽天プレミアムカードは、年会費が1万1,000円(税込み)。誕生日月は最大+1倍などがつきますが、もらえるポイントで年会費の回収が難しいのであまりおすすめできません。

■楽天電気 +0.5倍
楽天電気は、加入後に利用開始すると、期間限定ポイントが5,000ポイント付与されます。また、楽天電気の利用額に対して200円につき1ポイントが付与されます。

支払いが、ポイントでできるので、現金の持ち出しが少なくなる意味ではお得なサービスです。一方、お住まいのエリアによっては、エルピオ電気など格安のサービスもあるので、「ポイントが貰えるお得さ」と、実際にかかる実費部分での費用負担を天秤にかけたとき、お得になりそうであれば利用しても良いと思います。

■楽天ガス +?倍
楽天ガスは、2020年10月26日からスタートしたサービスです。記事を書いている段階では開始直後なので詳細がわかりきっていないですが、東京ガス(関東圏)、東邦ガス(中京圏)、関西電力(関西圏)の供給エリアからスタートするようです。

楽天電気と楽天ガスを両方申し込んだ場合は、それぞれのサービスが、通常の200円ごとに1pから100円ごとに1pに上がります。楽天ガス単体の倍率は記事寄稿時点では不明。

ここまでやると、ポイントは10倍を超えてきます。1万円分の買い物に1,000円分のポイントがつくので、かなりお得になります。

つづいて、サービスとしての利便性はそこそこだけれど、タイミングが合うのなら使ってもよいなと思うサービスです。利用するしないは、好き好きといったところです。

■楽天トラベル +1倍
旅行に行く機会があれば利用してみてもいいかもしれません。5,000円以上の利用が条件で、対象期間のみポイントがあがるのでお得感は少なめです。

■楽天ブックス 楽天Kobo それぞれ+0.5倍
koboは、Amazon Kindleと競合しているので、Kindleに慣れてしまっているユーザーはなかなか乗り換えないかもしれません。月1回1,000円以上のお買い物で0.5倍になります。楽天ブックスは実際の本が買え、送料無料です。こだわりがなければ楽天ブックスとKoboなどを利用するのもありかも知れません。

■楽天ビューティ +1倍
美容院を楽天ビューティ経由で予約して、3,000円以上の利用をした場合、予約月のみ楽天ポイントが+1倍になります。

■楽天Pasha +0.5倍
トクダネ対象商品の購入&レシート申請で、合計100ポイント以上の獲得で+0.5倍になります。買ったもののレシートを撮影して送ることが苦にならない人には向いています。

■ポイントアップデー
楽天市場では5と0のつく日がポイント5倍になります。これは楽天SPUのポイントアップ分とは別にポイントがついてきます。対象日に楽天上でキャンペーンにエントリーが必要になるので、確認してみてください。

さらに、「お買い物マラソン」が不定期に開催されています。お買い物マラソンは、期間中に楽天内の10ショップ以上で1ショップ1,000円(税込)以上の購入で、ポイントが倍増していきます。

もらえるポイントに上限もありますが、SPUと合わせてポイントアップになるので、SPU+ポイントアップデー+お買い物マラソンに、各ショップが持ち出すポイントアップが合わさると最大44倍もあり得ます。

ということで、SPUによって、楽天スーパーポイントが溜まりやすい環境をどうつくるのか?の視点でお話してきました。

しかし、楽天だけがサービスではありません。「楽天市場よりも普段の買い物はAmazonなんです。AmazonPrimeにもはいっているし……」という人もいるでしょう。ポイントが倍増しても楽天市場での買い物が少ない人には、メリットに感じ無いかもしれません。

楽天ユーザー以外でも得なものは…

ふだん楽天ユーザーでなない人も、Amazonユーザーでも、かなりの人が使えて得するのが「楽天ふるさと納税」です。

楽天ふるさと納税
楽天ふるさと納税は、楽天スーパーポイントが楽天市場のショップで購入するのと同じように貯まります。SPUで倍増したポイントアップがそのまま適用されるので、寄付に対してポイントがつきます。例えば年収600万円の子どもがいる夫婦の場合は、概算ですが控除上限額が年間約6万となります。この6万円に対して、10倍のポイントがつけば、ポイントだけで6,000円が手に入る計算です。ふるさと納税は実質負担金2,000円が発生しますが、4,000円分のポイントが儲かる上に、返礼品まで届くのでやらない手はないのです。

最後に注意点になります。

□ポイントが貯まるからといって、不必要なものを買わない
お買い物マラソンなども、ポイントを倍増させることに目がいって不要なものを買ってしまいがちです。「ポイントで買えるからいいか」と、ポイントを浪費してしまうのももったいないです。

□制度やポイント付与のルールが変更することがある
ポイントの付与条件などが、ちょくちょく変わることがあります。ルール変更の連絡などもメールで届きますが、その前に楽天からのメールが大量に送られてきていると埋もれて見逃してしまうこともあります。定期的に自分の倍率がどうなっているかをチェックするとよいでしょう。

□ポイントの還元を含めても、他社のほうが安いこともある
ポイントの還元率を考えても、アマゾンや、他のサービスの方が安いこともあります。また楽天電気なども、最も安い電力会社ではないので、ポイント付与を考えても割高になる可能性もあります。ポイントが貯まるからお得なはずと思考停止しないで、ちゃんと比べる冷静な目が必要と思います。

少しでもお得に、少しでも賢こく、使えるものは利用するという意気込みで楽天経済圏を使い倒してみてはいかがでしょうか? 以上、ご参考になれば幸いです。

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