築100年超の古民家に流れるレトロな音色 11月7日・8日に「萬代家主屋で愉しむ蓄音機の会」

▲萬代家主屋

 幕末期に長州藩や志士を経済的に支えた豪商・萬代家旧蔵のレコードを蓄音機で鑑賞する「萬代家主屋で愉しむ蓄音機の会」が、十朋亭維新館(山口市下竪小路)内の旧萬代家で開かれる。日時は11月7日(土)と8日(日)の午前10時から午後4時まで。入場無料で、出入りも自由。

 萬代氏から寄贈された小唄やクラシックなどのレコードが用意され、築100年を超える古民家で庭を眺めながら蓄音機のレトロな音色が楽しめる。レコードジャケットの展示などもある。2019年につづき2回目の開催。

 問い合わせは、企画運営する大路小路まち・ひとづくりネットワーク(大路ロビー内、TEL083-920-9220)へ。

 萬代家は寛政年間初期(1780年ごろ)に醤油製造を始め、3代当主利兵衛英備(1775-1838)のときに大いに栄えた。5代当主利兵衛輔徳(1821-1906)は、家業の傍ら長州藩の軍資金集めに尽力。1863年、藩庁が山口へ移転となり、役人の宿舎不足に悩む藩の指定に応じて離れ座敷「十朋亭」を提供。久坂玄瑞、高杉晋作、伊藤博文、桂小五郎(木戸孝允)、山県有朋などが来亭・起居したと伝えらえている。萬代家主屋の建物は茶室として1889年ごろに建てられ、その後主屋に改修された。

 十朋亭維新館は、十朋亭、萬代家主屋をはじめ、吉田松陰の兄・杉民治が開いていたとされる「杉私塾」などの萬代家の土地と建物を、歴史的資料とともに山口市が譲り受け整備した歴史ミュージアム。同館展示室(入館料は高校生以上200円、小中学生100円)では、12月21日(日)まで企画展示「萬代家と常栄寺」も開催されている。

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