黄金色のつばき油とろり 五島・今村製油所 製造始まる

絞ったつばき油を機械でろ過する今村代表==五島市、今村製油所

 長崎県五島市で、特産のつばき油の製造が始まった。伝統的な製法を受け継ぐ同市平蔵町の今村製油所(今村光次代表)では、4日も早朝から年季の入った機械が稼働。工場には甘く香ばしい香りが漂い、黄金色の油が絞り出されていた。
 同製油所は1929年創業で、今村代表は2代目。戦後間もなく導入した機械を手入れしながら使い続けている。「玉締め式」と呼ばれる製法で、ツバキの種を粉砕して蒸し、圧力をかけて絞った後に和紙でろ過する。
 今シーズンは10月中旬に製造を始め、来年5月ごろまで続く。現時点では市内の農家などから約20トンの種を仕入れ、6~7トンの油ができる見込み。製品は地元の土産店などで販売したり、化粧品メーカーに出荷したりする。
 今村代表は「ツバキの実の状態も良いので、今年も良い油ができそう」と笑顔を浮かべた。

 


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