「暴言、暴力あった」半数超 長崎県医師会が病院にアンケート ペイシェントハラスメント 

県医師会アンケートの結果(一部)

 医師、看護師らに対する「ペイシェント(患者)ハラスメント」について、長崎県医師会(森崎正幸会長)は、県内の病院を対象に3月までにアンケートを実施。回答した72病院中、半数超の37病院が、過去1年間に患者、家族らから職員に対する暴言、暴力が「あった」と回答したとする結果をまとめた。
 県医師会として初めて調べた。147病院に選択・記述式のアンケートを郵送。暴言、暴力の有無については、ほかに「1年以上前にあり」としたのが12病院、「なかった」は23病院だった。
 1年以上前を含めて暴力、暴言が「あった」とした49病院は、具体的な内容や被害に遭った職種を選択式で回答。内容では「質問等について執拗(しつよう)かつ辛辣(しんらつ)な対応要求」が、30病院と全体の6割を占めた。原因では「患者・家族等の誤った権利意識」とした所が30病院で最多だった一方、「医師・看護師等の説明不足」も14病院が挙げた。
 被害に遭った職種は「看護職員」が44病院と最多。事務職28病院、医師25病院と続いた。
 対策についての質問では、72病院中38病院が「事例等の情報共有」とした。「対応マニュアルやガイドラインの作成」は25病院にとどまり「特に対策はしていない」も10病院あった。
 県医師会の担当者は「7割近くがペイシェントハラスメントを経験しており、他病院との情報共有を求める声もあった。会として、事例についての研修やマニュアル作成の可能性を検討したい」と話した。

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