ランニング中に心肺停止の男性救助 “救命リレー”5人に感謝状 諫早消防署

人命救助で表彰された(前列右2人目から)案田医師、土屋看護師、鍬﨑さん、小瀬良さん=諫早消防署

 諫早消防署はこのほど、諫早市内でランニング中に倒れた男性(37)を救助したとして、長崎大学病院の医師と看護師、長崎日大高生ら計5人に感謝状を贈った。心臓マッサージと自動体外式除細動器(AED)による対応のおかげで、男性は快方に向かっており、冨岡正英署長は市民の懸命な“救命リレー”をたたえた。
 5人は案田岳夫医師(57)=同市=、土屋暁美看護師(54)=長崎市=、同校2年の鍬﨑哲也さん(17)と小瀬良天翔さん(17)、原由貴さん(37)=諫早市=。
 同消防署によると、9月26日午後6時すぎ、宇都町の県立総合運動公園周回ランニングコースで、男性が急に倒れた。第1発見者の男性が「救急車を呼んで」と叫ぶ声を聞き、原さんが119番通報した。
 近くにいた土屋看護師が、男性が心肺停止に陥っていることを確認。ランニング中だった案田医師も加わり、交互に心臓マッサージを始めた。土屋看護師は、そばで見ていた鍬﨑さんと小瀬良さんに同公園管理事務所への連絡を依頼。鍬﨑さんらは事務所に備えられていたAEDを腕に抱え、再び現場に駆け付けた。
 男性は通報から約10分後、救急車が到着する前までに心臓が再び動き出し、意識も戻った。案田医師は「AEDで(電気ショックを2回、行った後)脈が確認され、会話ができるようになった時、よかったと思った」、土屋看護師は「ここで死なせるわけにはいかないと思った。その場に居合わせた人たちの行動があったからこそ、男性の命が助かった」と話した。
 鍬﨑さんは「初めて見る光景で頭が真っ白になったが、AEDを早く渡すことだけを考えて全力で走った」、小瀬良さんは「今後、同じような状況に駆け付ける時のため、AEDの使い方を学びたい」と話した。同消防署は第1発見者に関する情報提供を求め、判明したら感謝状を贈る。

 


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