スーパースターになれなかった新人王 MLB公式サイトが特集

新人王を受賞した選手が必ずしもスーパースターになるわけではない。華々しいデビューを飾りながらも好成績を維持できず、数年のうちに表舞台から姿を消した新人王受賞者も少なくない。メジャーリーグ公式サイトのマニー・ランダワは、こうした「スーパースターになれなかった新人王受賞者」を特集する記事を公開。過去の新人王受賞者のなかから10人をピックアップしている。

受賞した年代の古い順に見ていくと、まず1950年にナショナル・リーグ新人王を受賞したサム・ジェスローが選ばれている。ニグロリーグからメジャー入りしたジェスローは、1950年にブレーブスで打率.273、18本塁打、58打点、35盗塁、OPS.780をマークし、盗塁王のタイトルとともに新人王を受賞した。33歳での新人王受賞は現在も史上最高齢記録となっている。翌1951年も35盗塁で盗塁王に輝いたが、35歳となった1952年に大きく成績を落とし、それ以降は1954年にパイレーツで2試合に出場しただけ。デビュー時点で33歳だった影響もあり、わずかメジャーでプレーしたのはわずか4シーズンだけだった。

ジョー・シャーボノーは1980年にインディアンスで打率.289、23本塁打、87打点、OPS.846をマークし、アメリカン・リーグ新人王に選出。ところが、翌1981年は4本塁打、1982年は2本塁打に終わり、わずか3シーズン、通算29本塁打を放っただけでメジャーの舞台から姿を消した。

パット・リスタッチは1992年にブリュワーズで打率.290、54盗塁をマークし、ア・リーグ新人王に選出。しかし、その後は不振や故障に悩まされ、出場は1995年の101試合、盗塁は1996年の25個が最多。アストロズで52試合に出場した1997年が最後のシーズンとなり、1998年に30歳の若さで引退した。

ボブ・ハムリンはメジャー2年目の1994年にロイヤルズで打率.282、24本塁打、65打点、OPS.987の猛打を見せ、ア・リーグ新人王を受賞。しかし、翌1995年は7本塁打、1996年は9本塁打に終わり、1997年にタイガースで18本塁打と復活の兆しを見せたものの、ブリュワーズで7本塁打を記録した1998年を最後に30歳で引退した。

トッド・ホランズワースはメジャー2年目の1996年に打率.291、12本塁打、21盗塁をマークし、ドジャースから5年連続の新人王輩出となった。その後、チームを転々としながら2006年までプレーを続けたが、規定打席に到達したのは新人王に輝いた1996年だけ。当初の期待に応えるキャリアを過ごすことはできなかった。

21世紀からは2002年ア・リーグ新人王のエリック・ヒンスキー、2002年ナ・リーグ新人王のジェイソン・ジェニングス、2003年ア・リーグ新人王のアンヘル・ベローア、2004年ア・リーグ新人王のボビー・クロスビー、2009年ナ・リーグ新人王のクリス・コグランの5人が選出。ベローアは松井秀喜をわずか4ポイント差でかわして新人王を受賞したが、その後は目立った活躍を見せることなく、2009年を最後にメジャーの舞台から姿を消した。

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