壁紙クロスの張替えリノベーション|おしゃれな実例と壁紙選びのポイント、費用相場を紹介

リノベーションをするうえで、部屋の印象を大きく決定づけるのが壁紙クロスです。壁紙クロスはどの種類を選ぶかによって、機能性や費用も大きく異なります。だからこそ失敗はしたくないもの。今回は壁紙クロスの張替えリノベーションをするときの費用相場や種類の選び方、アクセントクロスをうまく取り入れた実例を紹介します。

インテリアテイストに合わせた壁紙クロスにリノベーション

住まいの印象は壁紙クロスの色やデザインによって大きく変わります。予算や構造上の問題で大胆なリノベーションができない住宅も、壁紙クロスならインテリアのテイストに合わせて気軽に変更できます。業者に依頼して塗装したり、自分たちでペンキを塗ったり、リノベーションの方法はさまざま。最初はアクセントクロスから挑戦してみましょう。

「アクセントクロス」でも部屋の雰囲気は変わる

アクセントクロスとは、部屋の1面の壁に目を引くような色や柄の壁紙でアクセントをつけたものです。壁面を部分的に変えるだけで、部屋のイメージはガラリと変わります。アクセントクロスであれば、ちょっと派手に思えるカラーや柄も比較的取り入れやすく、単調になりがちな部屋を遊び心のあるおしゃれな空間にしてくれるでしょう。

たとえば、白やグレーを基調としたリビングの1面にオレンジの壁紙を張ることで、リビングがパッと明るい空間に。無機質な空間になりがちなキッチンやトイレも、アクセントクロスによって明るくおしゃれな空間を実現できます。

壁紙リノベーションのおしゃれな実例

壁紙クロスの張替えリノベーションですてきな空間に生まれ変わった実例を紹介します。実例を参考に、自分の理想のリノベーションを考えてみましょう。

遊び心のある壁紙がポイント

repros0803さんのインスタグラムより

動物、花、自然などの柄付きの壁紙は、インテリアのいいアクセントになります。子ども部屋には、車や恐竜などの柄クロスで楽しい雰囲気をつくるのもおすすめ。壁紙は約10年で張替え時期がくるため、子どもが飽きてしまったときや成長に合わせて、張替えてしまうのもよいでしょう。

デニム生地のクロスでオリジナリティを演出

デニム生地を使った珍しいクロスもあります。デニム特有の素材感と深い色味、ビンテージ感が魅力的な空間をつくりだします。耐水性の加工を施しているため、水や汚れが付きにくいのも嬉しいポイント。従来の壁紙には見られない素材感で、オリジナリティ溢れる空間を演出できます。

リビングのアイテムに合う壁紙クロス選び

kopo1918さんのインスタグラムより

リビングにはテーブル、ソファだけではなく、絵画や観葉植物などさまざまなアイテムが置いてあることも。リビング全体のバランスに合う壁紙選びがおすすめです。テーマカラーやテーマスタイルを決めてから選ぶのもいいでしょう。

コンパクトで日当たりの悪いリビングには、白やベージュなど明るい色味の壁紙を採用しましょう。明るい色が光を拡散して、部屋全体が明るくなります。膨張色で部屋が実際より広く見えるのもメリット。

重厚感のある落ち着いた空間にしたいときは、グレーやブラウンなど、黒に近い色の壁紙がおすすめです。ただし、圧迫感を与えやすいため、部分的にダークな壁紙にしたり、床の色を明るめにしたりしてバランスを取りましょう。

天井の壁紙クロスの張替え

遊び心が欲しい場合は天井の壁紙を工夫してみましょう。明るいカラーのものやポップな柄を子ども部屋に使うことで、雰囲気もより明るくなります。天井だと派手な模様を採用しても、家具のコンビネーションや模様替えなどにも影響しにくいので安心です。

料理が楽しくなる、キッチンの壁紙クロス

キッチンの壁に鮮やかなイエローやピンクなどの明るい色味を盛り込むことで、キッチンがポップで料理を楽しめられる空間に。タイル調のアクセントクロスなどもキッチンとよく合います。

おしゃれで自分好みのトイレ空間に

room.art.ksさんのインスタグラムより

トイレの狭いスペースを活かして、思いっきり自分好みの空間を実現可能。リビングや寝室でできないような派手な色や柄も、トイレなら大丈夫。グレイッシュピンクのストライプや、クールなレンガ風の壁紙など、壁紙を変えるだけでトイレ空間の印象もガラッと変わります。

トイレ壁紙と床を同時にリノベーション

トイレ壁紙と床を同時にリノベーションすることで、全体に統一感が出て、違和感のないおしゃれな空間に仕上がります。壁紙と床にどんな柄、素材を使用するかは本人次第。タイルや木目調でデザインを統一するのもおもしろいアイデアです。

側面をそれぞれ違うデザインにする工夫

room.art.ksさんのインスタグラムより

壁をすべて同じ色、デザインで統一せずに、あえてバラバラにすることで、おしゃれな雰囲気を作り出すことが可能に。採用したいデザインが複数ある場合は、この方法が使えます。ただし、色やデザインの相性を考えて実施しましょう。

バスルームや洗面台の壁紙リノベーション

バスルームや洗面台にパステルカラーのアクセントクロスを取り入れると、かわいらしく清潔感のある空間に仕上がります。シンプルなインテリアになりやすいバスルームや洗面台も、アクセントクロスを取り入れることで、印象が大きく変わるでしょう。

壁紙クロスを選ぶ際のポイント

壁紙クロスの選び方で失敗しないためにも、以下の3つのポイントを押さえておきましょう。

部屋のイメージを決める

壁紙クロスを選ぶときは、部屋の理想イメージを作ることが重要。どのような部屋にしたいのか、どのような印象を与えたいのかなどを具体的にイメージし、部屋にテーマをつけて配色や柄を決めましょう。高級感を出したいなら織物クロス、清潔感を出したいなら白、明るい空間にしたいなら赤やオレンジ、などと好みや理想を具体的にすることで、壁紙クロスも選びやすくなります。

床材やドアの色との相性を考慮

壁の色と、床材やドアの色との相性が悪いと、見た目がチグハグで落ち着かない空間になってしまいます。壁のことだけ考えて選ぶのではなく、床やドアとの相性やバランスも考えて選びましょう。さらにカーテンやソファー、カーペットなど部屋のインテリアと合わせることで、よりまとまりのある空間に仕上がります。

実際のサンプルで確認

気に入った壁紙を見つけるときに参考になるのは実際のサンプルです。カタログや写真でも色や柄を確認することはできますが、サンプルだとより具体的な質感などを確認できます。ただし、小さなサンプルでは実物とのイメージのギャップが出やすいので注意が必要です。色は面積によって見た目の印象が異なるため、サンプルはなるべく大きなものを選びましょう。

壁紙クロスの張替え費用相場について

壁紙クロスの張替え費用は、張替える張替え部分、壁紙の種類、施工する面積、の三つの要素で決まります。まず、張替える壁紙クロスの種類は、安価なものであれば1㎡あたり800円前後、一般的なグレードなら1㎡あたり1500円前後が目安です。量産品であれば値段も安いですが、機能性の高いハイグレードなものは高額に。LDK、トイレ、浴室など壁紙を張替える部分や施工する面積によって費用も変わります。

また、実際に工事をする場合、材料費のほかに工賃や施工費、下地処理費、壁紙を剥がした後のクロスや施工中の廃材処分費、養生などの諸費用が必要です。材料費だけ見て業者を選ぶのではなく、トータルコストを比較して選びましょう。

6帖の洋室:4万~6万円目安

6畳間(45平米)を1室だけ張替える場合の相場は、量産品クロスなら約4万〜5万円未満、ハイグレードなクロスだと5万〜6万円前後かかります。

リビング・ダイニング

リビング・ダイニングの形が複雑な場合など、条件によって相場も変わりますが、以下の費用は面積をもとにした価格となります。

2LDKの場合

クロスの張替えの相場は、量産品だと35万〜40万円前後、ハイグレード品だと50万〜55万円前後かかります。

3LDKの場合

クロスの張替えの相場は、量産品で40万〜48万円、ハイグレード品は60万円前後です。

キッチン:4万~6万円目安

キッチンの壁紙を張替える費用の相場は、3.5畳(32平米)で4万〜5万円前後、5.5畳(41平米)5万〜6万円前後。キッチンでは汚れ防止機能や不燃性の壁紙などハイグレードクロスが使用されるため、狭い空間ながらも張替え費用は高めです。

バスルーム、脱衣所:4万円前後

バスルームや脱衣所の場合、2.5畳までの広さであれば、費用の相場は4万円前後となります。湿気でカビが発生しやすく、汚れやすい場所でもあるため、防カビ機能や汚れ防止機能のある壁紙が使用されます。機能性壁紙はハイグレードクロスにしかないので、費用は少し高めです。

トイレ:3万~4万5000円前後

トイレの壁紙リフォームにかかる費用の相場は、3万~4万5000円前後です。トイレは壁の面積は狭いものの、職人の人件費が割高なので、壁紙のグレードを問わず、ある程度の費用がかかります。ただし、他の部屋と同じタイミングで張替えをすれば、費用を削減できる可能性があるでしょう。

壁紙クロスの主な種類

壁紙クロスにはたくさんの種類があります。壁材によってデザイン、価格、お手入れのしやすさが異なるので、よく比較して最適なものを選びましょう。ここでは、壁紙クロスの主な種類を紹介します。

ビニールクロス

ビニールクロスはポリ塩化ビニールを主原料とした素材で作られています。一般的に壁紙クロスといえば、ビニールクロスを指す場合がほとんど。一般の住宅や店舗で多く使用されています。多彩なカラー・デザインが揃い、プリントも自由にできるなど、機能性の高さが魅力です。ビニール製のため、さまざまな加工を施すことが可能。大理石模様やエンボス加工などの製品もあります。大量生産できるため、値段が比較的安価なのもうれしいポイント。水拭きできるため、お手入れも簡単です。

織物クロス

織物クロスは、レーヨン・絹・麻・シルクなどの本物のテキスタイル素材によって作られています。壁に張れるよう加工されており、見た目の美しさと耐久性の強さが魅力。重厚感と高級感があるため、ホテルや美術館で使用されることが多いです。素材によって平織りや綾織、不織物などがあり、糸の織り方による表情の違いも楽しめます。ただし、ビニールクロスに比べて値段は高めで、汚れがつきやすいデメリットが。耐久性も高くなく、ほこりが付きやすいので、こまめなお手入れが必要です。

紙クロス

紙クロスは、紙や和紙、ケナフなどの紙素材が原料です。独特の風合いが魅力で、手すき和紙や柄つきなど、豊富なデザインも楽しめます。紙ならではの色合いや柄、マットな質感が人気です。水回りには向きませんが、寝室や和室で使用するのに適しています。人体や環境に優しいことから選ぶ方も多いです。ただし、張替えが難しいという難点があります。

漆喰、珪藻土クロス

漆喰、珪藻土クロスは、自然素材の珪藻土や漆喰を裏紙に加工したものです。本物の珪藻土や漆喰には劣りますが、質感が美しく、防火性に優れているのが魅力。また、手軽に張替えられるメリットもあります。

木材系クロス

木材系クロス(ウッドパネル・OSBボード)は自然木を薄くカットし、紙に裏打ちした壁紙です。木ならではの温かみや表情を楽しめますが、他の壁紙と比べると価格は高い傾向にあります。

壁紙クロスの機能とは?

壁紙クロスの中には、さまざまな機能性を持ったものもあります。部屋の面積によって効果のほどは異なりますが、便利な機能があるのはうれしいもの。小さい子どもやペットのいる家庭、アレルギーの気になる方は、壁紙の機能にも着目してみましょう。

消臭効果

消臭材が加工されたビニールクロスには、生活臭を抑える消臭効果があります。臭い物質を吸着・消臭する消臭剤などが表面に塗布されており、トイレや玄関などに向いています。ペットやタバコの臭いが気になる方にも最適です。

抗菌・防汚・防カビ効果

壁紙クロスには汚れの付着しにくいフィルムやコーティングが表面に加工されているものがあります。合わせて抗菌効果もあるため、どの部屋にも使いやすいのが特徴。清潔感や衛生的な機能を持ち、子どもの落書きやタバコのヤニなどの汚れ防止に役立ちます。さっと水拭きするだけで汚れが落ちるため、お手入れしやすいのが利点です。

表面が傷つきにくい耐久性

耐久性の高い壁紙クロスは表面にコーティングがされており、傷が付きにくいのが特徴。小さい子どもやペットのいる家庭におすすめです。

快適な湿度に調節

吸水性ポリマーや珪藻土を使った壁紙は調湿性があり、過ごしやすい快適な湿度に保ちます。脱衣所や洗面所など、湿気の多い場所におすすめです。結露やカビの抑制効果も期待できます。

壁紙クロスの張替えリノベーションの注意点

せっかく壁紙のリノベーションをしたのに「こうすればよかった」と後悔するのは避けたいもの。ここでは壁紙のリノベーションで失敗しやすいポイントと注意点を解説します。

照明や家具、床材とのバランスを考慮

壁だけ変更すると、元からあった家電や家具、床などと調和しないことがあります。とくに真っ白な壁紙に変えると、まわりとの調和が気になりやすいもの。壁だけ意識しすぎると失敗しやすいので、照明や家具、床材とのバランスを考えて選びましょう。

以前と似た色を選ぶと印象が変わらないことも

せっかく新しい壁紙にしたのに、「変化があまり感じられない」と感じることもあります。思い切って冒険しようとせず、無難な選択をすると、効果を感じられず後悔しやすいので注意が必要。色の系統を変えるには勇気がいりますが、ちょっと冒険した選択肢を検討することも大切です。

隣室との違和感がないようにする

隣り合った部屋の一方の部屋の壁紙だけリノベーションすると、隣室が汚く見えたり違和感を覚えたりするケースがあります。一方の部屋のみリノベーションする場合、全体の調和を意識することが大切。隣室の壁と似た色をチョイスすれば、見た目がアンバランスになるという失敗も防げます。

業者へ依頼する場合は部屋を空ける必要がある

業者に壁紙のリノベーションを依頼すると、事前に家具などをどかして、部屋を空ける必要があります。冷蔵庫やピアノなど大型の家具の移動や、リノベーションの完了後に業者が掃除を行う場合は、別途費用を請求される場合があるので注意が必要です。

壁紙クロスはDIYでセルフリノベーションできる

リノベーションのために必要なものは通販やホームセンターでも購入できるので、業者さんと日取りや時間を調整しなくても、自分の好きな時に張替えができます。DIYで張替える最大のメリットは、予算を抑えられる点です。必要な費用は材料費だけなので、コストを抑えて自宅をおしゃれにリノベーションできます。

一方で、自分でDIYをするとなると手間がかかり、仕上がりに差が出るDIYのデメリットも。部屋の一面の狭い範囲だけならDIYでも対応できますが、家全体を一気に張替えるとなると大変です。

seen_sicknessさんのインスタグラムより

最近では、現在使用しているクロスの上から重ね張りできるクロスもありますが、剥がしにくくなることもあるので要注意。賃貸の場合は、インテリア用のマスキングテープや壁紙専用のノリなど、壁紙を傷めずに剥がせるアイテムを使用してDIYを楽しみましょう。

壁紙クロスの張替えリノベーションで理想の部屋を実現

壁紙クロスには、デザイン性や機能性などさまざまな種類があります。壁の一部分をアクセントとして張替えるだけでも、気分が変わってリフレッシュできます。ただし、全体の調和を考えずに壁だけリノベーションすると、完成後に後悔することもあるので注意が必要です。隣室や家具などとのバランスを考えながら、壁紙クロスの張替えリノベーションを楽しみましょう。

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