平戸オランダ商館復元施設 「市民が活用を」 吉居県立大名誉教授

平戸オランダ商館の価値などを話した吉居名誉教授の講演会=平戸市未来創造館

 「平戸オランダ商館の現代における意義」と題した吉居秀樹・長崎県立大名誉教授の講演会がこのほど、同市岩の上町の市未来創造館であり、「平戸オランダ商館の歴史は素晴らしい本物の財産として世界に認められている。市民が活用してほしい」と呼び掛けた。
 同商館(平戸市大久保町)の企画展「アジアの海 オランダ商館ヘリテージネットワークと時代の産物」の関連行事。事前申し込みの40人が聴講した。
 同商館は2011年に復元。吉居名誉教授は同市教委の依頼を受け、08年度から同商館の利活用などについて助言した。講演では、近世オランダの東アジア貿易に平戸がどう関わったかや、現在のネット社会に通じる考え方が採用された当時の商館の経営手法なども説明した。
 同商館は、アジア7カ国・地域にあるオランダ商館施設に関わる13団体が研究や人材交流で連携する「ヘリテージネットワーク」の構築を主導。企画展は、同商館の活動と成果を広く知ってもらう狙い。来年1月24日までの期間中、特別講演会、体験学習などを予定している。

© 株式会社長崎新聞社