WECバーレーン:逆転王者狙う小林可夢偉組7号車トヨタ、最終戦のポールポジション獲得

 中東バーレーンで行われているWEC世界耐久選手権第8戦バーレーンは11月13日、決勝レースに向けた公式予選が行われ、TOYOTA GAZOO Racingの7号車トヨタTS050ハイブリッド(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ-マリア・ロペス組)がポールポジションを獲得した。

 2019年8月にシルバーストンで行われた開幕戦から約15カ月、長かった2019/2020年シーズンのWECもここバーレーンでいよいよフィナーレを迎える。
 
 今季2度目の開催となったWECバーレーンは変則日程となり、走行初日の木曜日は通常2回実施されるプラクティスが1回のみに。13日の金曜日にプラクティス2回目と3回目、さらに予選を行うスケジュールが組まれた。

 迎えた公式予選は定刻18時からドライコンディションの下で行われ、GTEクラスの予選後に始まったLMP予選では、セッション開始早々にブレンドン・ハートレー駆る8号車トヨタTS050ハイブリッドがコースイン。翌周にターゲットとなる1分41秒252というタイムをマークする。
 
 その8号車とチーム内でドライバーズタイトルを争う7号車トヨタは、僚友の最初のアタックが終了するのとほぼ同時にピットを後にし、コンウェイのドライブで1分40秒114を記録。8号車トヨタのタイムを1.1秒上回り暫定首位に立ってみせる。

 ふたりめのアタックドライバーが乗り込む“後半戦”でも、サクセス・ハンディキャップでチームメイトに0.54秒/1周のハンデを負う8号車トヨタが先にアタックに入ると、中嶋一貴が1分41秒744をマークしアベレージタイムを1分41秒498とした。
 
 その直後、7ポイント差で選手権2番手につける7号車トヨタのロペスが1分41秒381をマーク。コンウェイとの平均ラップタイムを1分40秒747とし、タイムシートの最上部に返り咲く。その後、LMP1クラスの2台はともにピットに戻ったことから7号車トヨタTS050ハイブリッドとのポールポジションが確定した。両者のタイム差は0.751秒だった。

TOYOTA GAZOO Racingの8号車トヨタTS050ハイブリッド
WEC第8戦バーレーンのポールポジションを獲得した7号車トヨタTS050ハイブリッドの(左から)ホセ-マリア・ロペス、小林可夢偉、マイク・コンウェイ

■アストンマーティン勢がプロ、アマ両クラスでPP獲得

 6台のマシンで争われたLMP2クラスでは、ポール・ディ・レスタとフィル・ハンソンがアタッカーを務めたユナイテッド・オートスポーツの22号車オレカ07・ギブソン(ハンソン/アルバカーキ/ディ・レスタ組)が前半から首位を譲らず。アベレージタイムでクラス唯一の1分47秒台に入る1分47秒440というタイムでクラスポールポジションを獲得するとともにグリッド2列目、総合3番手グリッドを得ている。
 
 クラス2番手はジャッキー・チェン・DCレーシングの37号車オレカ07・ギブソン。同3番手には2021年シーズンのステップアップがアナウンスされているシグナテック・アルピーヌ・エルフの36号車アルピーヌA470・ギブソンが入った。

 LM-GTEプロクラスは選手権1位で最終戦を迎えたアストンマーティン・レーシングの95号車アストンマーティン・バンテージAMR(マルコ・ソーレンセン/ニッキー・ティーム組)がポールポジションを奪取。
 
 後半担当のソーレンセンが、暫定首位に立っていたポルシェGTチームの92号車ポルシェ911 RSRが記録した1分56秒589という平均タイムを0.068秒上回り、PPボーナスの1ポイントを勝ち取った。
 
 92号車ポルシェはクラス2番手。3番手はAFコルセの51号車フェラーリ488 GTE Evoが入り、3メーカーのマシンが予選上位を分け合うオーダーとなっている。
 
 LM-GTEアマクラスでもアストンマーティン勢が速さをみせ、アストンマーティン・レーシングの98号車(ポール・ダラ・ラナ/ペドロ・ラミー/ロス・ガン組)と、TFスポーツの90号車アストンマーティン・バンテージAMRが予選ワン・ツーを決めた。ケイ・コッツォリーノを起用するレッドリバー・スポーツの62号車フェラーリ488 GTE Evoがこれに続く3番手につけている。

 新型コロナウイルスの影響を受けてスケジュールが大きく変更されることになった2019/20年シーズンのWEC。その最終戦となるバーレーン8時間の決勝レースは現地14日14時(日本時間20時)にスタートが切られ予定だ。

アストンマーティン・レーシングの95号車アストンマーティン・バンテージAMR
LM-GTEプロクラスのポールシッターとなった95号車アストンマーティン・バンテージAMRのマルコ・ソーレンセン(左)とニッキー・ティーム(右)
LM-GTEアマクラスのポールポジションを獲得した98号車アストンマーティン・バンテージAMR

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