フィリーズのGM探しは年越しの可能性も 決定を急がない方針

新型コロナウイルスの影響によって今季の入場料収入が失われ、来季の有観客開催についての見通しもハッキリしないなか、今オフの各球団の戦力補強の動きは非常にスローペースとなっている。こうした動きは事前に予想されており、フィリーズのアンディ・マクフェイル球団社長はそれを踏まえ、辞任したマット・クレンタックに代わる新たなゼネラルマネージャー(GM)ないし編成本部長の決定を急がない方針を明言していた。フィリーズのGM探しは年越しの可能性もありそうだ。

現在フィリーズは、クレンタックの右腕的存在だったネッド・ライスに暫定GMを任せている。マクフェイルはライスへの信頼を口にし、場合によってはライスに引き続きGMを任せる可能性もあるという。数週間前、マクフェイルはGM探しについて「初期段階の調査はすでに終えている。各人物の特徴は把握しているし、あとは誰がチームにフィットするかを判断して適切に動いていくだけだ。少し時間がかかるかもしれないけどね」と長期化の可能性を示唆していた。

とはいえ、エンゼルス(ペリー・ミナシアンGM)とマーリンズ(キム・アングGM)がすでに新たなGMを決定し、フロントオフィスのリーダーが決まっていないのはフィリーズとメッツの2球団だけ。J・T・リアルミュートとの再契約交渉という重要なタスクがある以上、決してのんびりしてはいられない。また、ブライス・ハーパー、アーロン・ノラ、ザック・ウィーラーなど有力選手を抱えている以上、2011年以来のポストシーズン進出に向けて必要な補強を進めていかなくてはならない。

「ジ・アスレチック」の報道によると、フィリーズは早ければ来週にも候補者との面接を開始する可能性があるようだ。フィリーズは「経験豊富で手腕が証明されており、なおかつ勝利の経験がある人物」を求めており、マイケル・ヒル、ブライアン・セイビアン、クリス・アントネッティ、サッド・レバインらが条件に合うと指摘されている。しかし、一方で「あまり知られていない評価上昇中のフロントオフィスのスター」を候補として考えているとの報道もあり、具体的な候補者の名前が報じられるまでにはもう少し時間がかかりそうだ。

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