住友ゴム工業株式会社（以下、住友ゴム）は、レベル4自動運転車を対象に空気圧データ取得から異常時のタイヤメンテナンスまでのシステムを構築し、11月12日に岐阜市内の公道で実証実験を実施した。
今回の取り組みは、昨年から行っている群馬大学 次世代モビリティ社会実装研究センター(CRANTS)との共同研究によるもので、車両が無人の場合でもタイヤ空気圧のリモート監視を可能になる。自動運転車におけるパンクなどを想定したタイヤトラブルの予知保全、トラブル発生時の早期対応に貢献できるという。
今回の実証実験は、11月11日から15日にかけて岐阜市の金華橋通り一帯で行われる「トランジットモール2020 公共交通フェスタ」に合わせて実施した。
市街地で自動運転車に対して模擬的なパンクを発生させると、タイヤに装着されたTPMS（タイヤ空気圧監視システム）からの空気圧データにより管制所が異常をリモート検知し、タイヤ整備店（タイヤランド岐阜）に自動通知する流れだ。そして通知を受けた整備店が現場に出動し、タイヤを補修した後、自動運転が復帰するまでの一連の流れを実証した。
タイヤトラブル対応作業
今回行った実証実験の概要
タイヤの空気圧不足はパンクの原因の一つであるとともに、燃費や走行性能の低下にもつながることから、定期的なメンテナンスが重要視されている。
また、自動運転の普及によるドライバーレス社会では、今まで以上にメンテナンスフリーやタイヤ状態の遠隔監視が求められており、今回実証実験を行ったタイヤ空気圧をリモート監視するシステムは、自動運転車両の安全・安心にもつながるソリューションサービスと言える。
住友ゴムでは、CASEやMaaSといった自動車業界の変革に対応していくため、タイヤ開発および周辺サービス展開のコンセプト「スマートタイヤコンセプト」を掲げ、タイヤ空気圧管理ソリューションサービスの展開を進めている。
