隣室も使って「32時間滞在」“プリンスらしからぬ”最新ホテルとは?

プリンスホテルといえば、都市部やリゾート地に多くのホテルを展開していますが、近年の多様化するスタイルのホテルにあって“ベーシックの王道”ともいうべきイメージのホテルブランドです。本連載では個性的なホテルを紹介してきましたが、今回はそんなプリンスホテルのイメージを覆す9月1日開業の「東京ベイ潮見プリンスホテル」をレポートします。


東京駅と舞浜駅の中間

東京ベイ潮見プリンスホテルが位置するのは東京ベイエリアの潮見。ベイエリアといえば、東京都の開発計画を背景にインフラの整備や街の再開発が行われてきましたが、ホテル最寄駅のJR 京葉線の潮見駅周辺は倉庫が多く立ち並ぶエリアというイメージもあります。一方、東京駅と舞浜駅の中間地点であり多数の観光客が通過するポジションともいえます。

また、東京国際フォーラムや東京ビッグサイト、幕張メッセ等の大型コンベンション施設へのアクセスにも優れており、駅前立地のホテルであればビジネスユースに資するかもしれません。駅前とあってコンビニエンスストアやスーパーマーケットなど充実しており、ホテルステイにあってちょっとした買い物に使えます。

アートに彩られたホテル

ホテルのゲストニーズは多様化しています。伝統的なホテルカテゴリーとしてシティホテル・ビジネスホテル等ありますが、たとえば、ビジネスホテルが出張族やリーズナブルな旅行者をターゲットにしているように、ターゲットにするゲスト層は料金帯や年代によるセグメントが前提となってきました。

一方で、旅のスタイルやゲストがホテルに求めるものが大きく変化する中で“ライフスタイルホテル”が注目されています。ライフスタイルホテルは、ゲストの趣味や嗜好といった点にもフォーカスする斬新なコンセプトを打ち出すホテルでいま注目を集めています。東京ベイ潮見プリンスホテルはアートが溢れたホテル。江戸のアートに彩られた、色鮮やかな非日常空間が演出されています。

隣の部屋も使って32時間もステイ

客室は全605室で29.7~42.9平米と広めにとられています。ユニバーサルルームを除く全室で3~4名での利用が可能となっており、家族やグループ・団体での利用に適しているといえます。特に二段ベッドを備えたファミリールームは家族連れに人気。そんな東京ベイ潮見プリンスホテルで驚いたのが“【SHIOMI +ONE】+EXTRA ROOM”というプラン。ステイする客室の隣室をエキストラルームとして“+ONE”で使えるというもの。

たとえば、子ども部屋として寝かしつけやプレイルーム用に、夫婦別室でゆったりテレワークなど多彩なアレンジができそう。何より朝10時にチェックインして翌日夕方18時まで等最大32時間ステイが可能というのは驚愕です。Withコロナならではのちょっと贅沢なホテルの過ごし方ができそうです。

天井高5メートルの大浴場

ところで、ホテルのご自慢が天井高5メートルの大浴場「潮の湯 (うしおのゆ)」。個人的な話で恐縮ですが、サウナ好きな筆者にとっては5メートルの天井よりもサウナや水風呂の有無がポイントという思いを抱きつつ出向いてみると…ちゃんとありました。

巨大な風呂のサイズに合わせたかのような広々サウナに水風呂が設置されており欣喜雀躍(男湯ドライサウナ/女湯スチームサウナ)。ロッカーのデザインもライフスタイルホテル的であります(宿泊者専用/おとな1,000 円、7~12 才 800 円、4~6 才 500 円 税別 ※温泉ではありません)。

スタイリッシュなベイエリアのダイニング

ホテルのディナーは「Restaurant&Bar TIDE TABLE Shiomi」にて。地中海の雰囲気がただよう店内には、シーフード料理やファミリーで気軽に楽しめるカジュアルな料理などが揃っています。カラフルな色遣いにして抑えめに設定された照明がスタイリッシュな夜のベイエリアダイニングを演出。

気軽に利用できそうな料金設定も安心感があります。肩肘張らずカジュアルに宿泊者だけではなく地域の人々も多目的に利用できそうな空間はライフスタイルホテルのシンボルでしょうか。オシャレなカップルや女性同士のグループなどで賑わっていましたが、キッズルームや個室もありランチタイムはママ会などでも使えそうです。レストランスペースは2分割することが可能で、団体利用やイベントスペース等として貸し切り利用もできるとのこと。この辺りも地域にフォーカスするライフスタイルホテルのイメージとマッチします。

意外な場所の意外なホテルという印象の東京ベイ潮見プリンスホテル。プリンスホテルの新たな姿を垣間見るようなホテルといえそうです。

※本記事の内容は取材時のものであり、実際の利用に際しては公式サイトで情報を確認してください。

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