F1ブラジルGP開催契約をインテルラゴスが5年延長か。サンパウロ州知事が発言

 サンパウロ州知事であるジョアン・ドリアが、少なくとも2025年までインテルラゴスはF1ブラジルGPを開催すると発言した。

 ブラジルGPは1990年からインテルラゴスで開催されている。現契約は2020年で終了することになっていたが、今年のグランプリは、コロナウイルス感染症のパンデミックにより中止となった。しかし、最近発表された2021年の暫定カレンダーに、インテルラゴスでのブラジルGPが暫定扱いで含まれていた。

 インテルラゴスの今季末での契約終了に伴い、リオデジャネイロはブラジルGPの開催権を引き継ぐことを望み、2016年のオリンピックでいくつかのイベントに使用されたデオドーロの軍事基地に、サーキットを建設する計画を立てていた。しかしカンボダの森林破壊に反対する地元環境団体が激しく反対、このプランは暗礁に乗り上げている。

 そのため、2021年のカレンダーにインテルラゴスが掲載されたことはおそらく驚くべきことではないだろうが、5年間の契約は予想外のことだ。

2019年F1ブラジルGP(インテルラゴス) アイルトン・セナのヘルメットカラーが施されたヘリコプター

 ドリア知事によれば、ブラジルGPについてはすでに合意に達し、正式な契約手続きを残すのみであるという。F1の商業権保有者であるリバティ・メディアは、サンパウロとの5年契約について現時点では正式な発表は行っていない。

「私は、F1が2025年までブラジルGPを開催する契約を更新したと明らかにすることを、誇りに思う」とドリア知事はF1トルコGP直前に開催された記者会見で語った。

「インテルラゴスのサーキットが今後5年間の会場となることが決まった。この契約はブルーノ・コバス市長とF1の商業権所有者のリバティ・メディアの間で締結される」

 リバティ・メディアは当初インテルラゴスの契約を更新することを望んでおらず、F1元最高権威者であるバーニー・エクレストンと強いつながりのあるイベント主催者と対立していたとみられる。しかしながら、主催者は新契約への道を切り開いたようだ。

 先月、F1のCEOを務めるチェイス・キャリーは、F1がリオデジャネイロに戻るという契約について基本合意に達したと語ったが、中断している建設の許可が下りることが条件とされていた。こういった状況から考えて、リオでのF1イベント開催は、少なくともあと数年は実現しない見通しになったといえそうだ。

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