ブリュワーズ アーノルドGM補佐がGMに昇格 引き抜き阻止か

ブリュワーズは日本時間11月20日、マット・アーノルドGM補佐がGM(ゼネラルマネージャー)に昇格したことを発表した。これまではデービッド・スターンズ編成本部長(正式な肩書は野球運営部門社長)がGMを兼任していたが、スターンズからはGMの肩書が外れることになる。ブリュワーズはフロントオフィスのリーダーが空席となっているメッツからスターンズの面接を行う許可を求められて拒否したことが数日前に報じられたばかりだった。

ブリュワーズはフロントオフィスのメンバーとの契約条件を公表しないという方針を貫いている。2019年1月にスターンズが編成本部長に就任した際も、5年契約と報じられてはいたものの、球団からの正式な発表はなかった。そのため、アーノルドの任期なども明らかになっていない。

スターンズはアーノルドの昇格について「我々はこれまでもパートナーとして球団を運営してきたので、日々の業務にはあまり変化がないと思っている」とコメント。「これまでと同じように、何事にも一緒に取り組むというやり方で前進していきたい」と今後の抱負を述べた。

日々の業務にほとんど変化がないにもかかわらず、なぜ肩書を変更する必要があるのか。このようなケースでは、フロントオフィスの人材を他球団に引き抜かれるのを防ぐ目的であることが多い。ブリュワーズはメッツからのスターンズへの面接要請を拒否したが、アーノルドも今オフ、エンゼルスのGM候補として名前が挙がっていた(エンゼルスGMにはペリー・ミナシアンが就任)。スターンズの引き抜きに失敗したメッツが狙いをアーノルドに変更し、ブリュワーズがそれに拒否する姿勢を明確にするためにアーノルドを昇格させたのではないかという見方もある。

現在41歳のアーノルドは、2015年10月に副社長兼GM補佐としてブリュワーズに加入し、2019年6月には上級副社長兼GM補佐に昇格。ブリュワーズに加わる前はレイズで9シーズン(2007~15年)を過ごし、ドジャース(2000年)、レンジャーズ(2002年)、レッズ(2003~06年)の野球運営部門でも働いた経験がある。アーノルドは「私の仕事はデービッドに可能な限り最高の情報を提供することだ。それによって彼が良い決断を下すことができれば、それは球団全体にとって素晴らしいことなんだ」と話している。

© MLB Advanced Media, LP.