水郡線 不通区間が2021年3月末までに運転再開、当初予定を前倒し_流出した鉄橋の復旧工事すすむ

2019年10月の台風19号で、いまだ不通区間がある水郡線。

起点の水戸駅(茨城県)から終点の安積永盛駅(福島県郡山市)を経て、郡山まで直通する列車が走っていた水郡線は、この台風の影響で袋田~常陸大子がいまも不通。上小川~常陸大子でバス代行輸送を行っている。

JR東日本 水戸支社と関係各社は、復旧工事が順調にすすんでいることから、当初の運転再開目標だった2021年夏ごろを前倒し、2021年3月末までに全線運転再開させる。

水郡線 袋田~常陸大子にある 第六久慈川橋りょう は、この台風19号の影響で橋桁が流出。復旧工事では、河川内のPC橋脚を1本にし、トラス桁2連構造に更新する作業が続いていた。

今回、橋脚・橋台の設置が完了し、橋桁の架設にむけた準備作業にとりかかる。12月からは、橋桁の架設を実施していく。

明治期に誕生した太田馬車鉄道をルーツとする水郡線は、太田鉄道、水戸鉄道と経営母体を代え、1927(昭和2)年に国有化。

現在、常陸太田へとむかう盲腸線は、明治期に太田鉄道などが敷設した線路。

水戸側と郡山方から伸びてきた線路が、1934(昭和9)年に全通。蒸気機関車や無煙化後のディーゼル機関車の客車列車から、キハ20、キハ40、キハ58などの気動車を経て、いまは2007年に登場したキハE130系ステンレス車が走っている。

不通区間にある復旧工事が終わり、再び列車が走ったら、水戸と郡山を結ぶ山間の奥久慈路と渓谷を愛でる鉄道旅へ、また。

© 株式会社エキスプレス