県が定点ガイド配置 出津教会堂と頭ケ島天主堂

潜伏キリシタンのストーリーなどについて話すガイドの松川さん(左)=長崎市西出津町

 世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」を訪れる人の満足度向上を目指し、県は21日、構成資産のうち「外海の出津集落」(長崎市)と「頭ケ島の集落」(新上五島町)に定点ガイドを配置する実証事業を始めた。
 県観光振興課によると、構成資産を気ままに訪れる個人客はガイドを利用するケースが少ないという。「見学だけでなく信仰を守り続けてきたストーリーなどを聞き、再来訪や他の資産を訪れるきっかけにしてほしい」と利用を呼び掛けている。
 定点ガイドは決められた地点に常駐し、予約は要らず、その場で観光客を案内する。出津教会堂でのガイドは市外海歴史民俗資料館、頭ケ島天主堂でのガイドは上五島空港のインフォメーションセンターで受け付け。来年1月下旬まで土日祝日の計20日間、500円でガイドの説明または音声機器による案内を利用することができる。
 21日、出津教会堂のガイドを担当した松川隆治さん(80)は外海の海岸から五島目指してこぎ出した潜伏キリシタンのエピソードを紹介。「せっかく来たなら、少しでも理解を深めて帰ってもらいたい」と話した。

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