介護の現場に理解を深めて 平塚・高浜高で職員が実演

訪問介護で高齢者への入浴サービスを実践する介護関係者=県立高浜高校

 人手不足に悩む介護の現場に興味を持ってもらおうと、現場のケアマネジャーらを呼んで介護の仕事を学ぶ授業が19日、神奈川県立高浜高校(平塚市高浜台)で行われた。看護や介護の世界を志す“卵”たちへ先輩たちが「人と人として接することが大事」と訴えた。

 授業は介護大手のツクイ(横浜市港南区)のグループホームやデイサービスの担当者らが登壇し、それぞれの仕事内容を説明。すでに看護師の専門学校などへの進路が決まっている3年生16人が出席した。

 訪問介護の現場で働く職員らが入浴サービスを実演。重さ17キロの浴槽をその場で組み立て、寝たきりの高齢者を3人がかりで介護する様子を寸劇を交えて再現した。

 生徒たちは仮想現実(VR)用ゴーグルを使い、レビー小体型認知症の患者が見る世界を体験。レビー小体型は幻視の症状があり、介護職員は「いないはずの虫が見えたり、高齢者の話を頭から否定するのではなく受け入れて」と呼び掛けた。訪問介護の職員は「人と人として信頼し合い関係をつくり、お互いが成長していける」と仕事のやりがいを強調した。

 ツクイ平塚中原(同市中原)の樹神(こだま)武行さんは「人手が足りず介護現場は悲鳴を上げており、若い世代が必要」と期待。参加した3年生の女子生徒(17)は「ためになる授業だった。人の役に立てる看護師になりたい」と話した。

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