猫と快適に暮らすためのリノベーションとは?賃貸物件でも取り入れられるアイデアを紹介

室内で飼える、癒やしの動物として人気の猫。最近はペットを飼えるマンションも増えましたが、「ペット可」という物件でも、必ずしもペットにとって暮らしやすいというわけではありません。これから猫を飼おうと考えている人、いま飼っている猫との暮らしをもっと快適にしたいと思っている人のために、猫と人が互いにストレスなく暮らすためのコツやアイデアを紹介します。

猫と気持ち良く暮らすために気をつけたいこと

猫の自由奔放さが魅力的だという人も多い一方で、自由にさせすぎると叱ってばかりになってしまいそうです。猫と飼い主がお互いに気持ちよく暮らすために、どんなことに気をつけるべきか、解説します。

猫のストレスを溜めない

猫は家族の一員です。特にマンションでは近隣への迷惑とならないよう、しっかりとしつけがが必要です。とはいえ、猫はあくまで自然の中で生きる動物。人の都合で極端に行動を制限するのではなく、風や光、外の空気を感じられるような工夫をしてあげることが重要です。

光や風など自然を感じられるように工夫したスペースは、猫だけでなく人にとっても心地よく過ごせる場所です。掃除をするときや来客時などに避難場所として使える個室のようなスペースがあると安心。完全な個室でなくても、ゲージを使って空間を仕切るなど工夫をしましょう。

いくら愛情を注いでいるからと言って、光も入らないような暗い部屋だけに閉じ込めておくのはおすすめできません。そもそも家の中だけで過ごすのは猫にとって退屈でストレスです。運動不足が原因で生活習慣病になる猫もいるので注意が必要です。

猫は「室内飼い」が推奨されている

昔は、猫が自由に外出したり家に戻ってきたりする飼い方もありましたが、最近では、猫は室内で飼うことが推奨されています。特に都市部では、飛び出しなどによる交通事故や感染症といった病気などの心配も。猫を飼うときは基本的には外には出さず、部屋の中で過ごさせることが多くなっています。

窓から外を眺められる場所作る

高い場所から外を観察するのは、猫の習性のひとつです。猫がくつろげる場所を窓際に作ってあげましょう。猫はひなたぼっこが大好き。猫にとって快適な場所は、季節や時間帯によって変わるので、明るく温かい場所をいくつか用意してあげてください。やわらかいクッションやソファを置いて猫と一緒にくつろげる空間を作るのもおすすめです。

外が眺めやすい窓際が理想的ですが、窓を開けっぱなしにしていると猫が脱出してしまう危険性があります。窓をフルオープンにしなくても光や風が入るシャッターなどを活用し、安全を確保してください。

上下運動ができる場所を作り、運動不足を解消

猫は自由気ままに動き回って暮らしたい動物。スペースに限りがあるマンションでは動ける場所が少なく猫にとってはストレスの原因になります。運動不足解消のためにも、上下運動ができる場所を部屋の中に作るのがおすすめ。

猫によって好む高さや幅が異なるため、最初から大掛かりなキャットウォークを設置しても気に入ってもらえないこともあります。日ごろから愛猫の動きを観察しながら、どのような場所や動き方が好きなのかを見極めましょう。

ニオイ対策はトイレの場所選びと「しつけ」がポイント

トイレの場所は洗面所に設置すると、掃除道具の収納にも便利

猫と暮らすうえで避けられないのがニオイ問題。主に糞尿から発生するニオイは、アンモニア成分が含まれ、部屋にしみつきやすく不快に感じられます。トイレのしつけをしっかり行うのはもちろん、トイレ掃除はこまめに行うのが鉄則です。

猫用トイレは洗面所や家具で隠れる場所に

猫用のトイレは、洗面所や家具で隠れる場所に設置するのがおすすめ。猫が落ち着いて用を足せる場所を選びましょう。洗面所であれば周囲が汚れたときにも掃除しやすく、洗面台下には掃除用具も収納しておけます。広めのトイレであれば、猫と人と共用の場所にするという方法も。猫用トイレの近くにはイオン発生機を設置したり、部屋をこまめに換気して、臭いがこもらない工夫も必要です。

「爪とぎ」は必須アイテム

専用の爪とぎを設置しても家具や壁のあちこちに傷をつけられてしまうことが

猫の爪とぎも、飼い主を悩ませる問題のひとつ。猫を飼うにあたり、爪とぎスペースは必須になりますが、専用の爪とぎスペースを設置しても、好きな場所で勝手に爪とぎをするということも。あちこちで爪とぎをされて壁や家具をボロボロにされてしまったという例も多いようです。

床鵜や壁に爪とぎ対策を

猫ちゃんは部屋の壁に爪を引っ掛けて爪とぎをします。フローリングの床は歩行時に爪痕がついてしまいます。賃貸物件の場合、壁紙や床を傷つけてしまうと退去時にトラブルになることも。そうならないためにも、爪とぎができるように部屋を整えてあげる必要があります。

壁には保護シートを貼り、床はフローリングよりも傷がつきにくいクッションフロアやカーペットを敷くなどの対策をしましょう。猫がよく爪をとぐ場所に移動できるタイプの爪とぎを設置するのもおすすめです。

また、猫の爪をこまめにチェックして伸びすぎる前に切る習慣にしておくと、爪とぎによる傷を最小限におさえることができます。猫が苦手なニオイでつくられた爪とぎ防止のスプレーも販売されているので、爪とぎをしてほしくない場所にスプレーしておくアイデアもあります。

《注意》ちょっとした「隙間」が大事故に

部屋の中には猫にとって危険な場所がたくさんあります。火や刃物を使うキッチンやお湯を張っておくことが多い浴室では、火傷やケガをする危険性があるので猫が侵入できない工夫をししましょう。在宅で仕事をしている人は、仕事場への侵入も制限する必要があります。猫の立ち入り禁止区域をつくり、ある程度は行動範囲を制限する工夫が大切です。

猫ちゃんが快適に過ごすために取り入れたい工夫【実例編】

最低限のしつけをしておくことは重要である一方、猫の習性や性格を受け入れることも大切。「何度言っても言うことを聞いてくれず、叱ってばかり」こんなことではお互いにストレスがたまります。猫も飼い主も快適に暮らせるように工夫したいところ。本格的なリフォームから賃貸でも簡単に取り入れられるアイデアを紹介します。

「ペットドア」を作る

「ペットドア」はドアの開けっ放し防止で、エアコンの電気代節約にも

部屋のリフォームをするなら、まずは猫専用のドアをつけるのがおすすめ。「ペットリフォームといえばペットドア」というくらい、猫と暮らす人が最初に検討することが多い基本のリフォームです。引き戸のドアでは、猫が勝手に開けてしまいます。

レバータイプのドアノブでは飛び乗って開けてしまい、特にエアコンを稼働する季節はドアの開けっ放しがストレスです。ドアや壁にペットドアをつければ、猫は自由に部屋を移動でき、飼い主もストレスフリー。コスト重視ならDIYも可能ですが、仕上がりのクオリティや工期などを考えれば、リフォーム業者に取り付けてもらう方が安心です。

キャットウォークを作る

高いところが好きな猫は、壁の飾り棚やチェストの上にのぼることが多くなります。リビングやダイニングなど、長い時間を過ごす場所に吹き抜けの梁などがあれば理想的。壁面に設置したり天井から吊るしたりして猫が自由に歩き回れるスペースを作ってあげましょう。人の生活スペースから離れた場所に居場所ができれば、来客などの際も猫は安心して過ごすことができます。

梁や収納棚を活用して、インテリアと馴染ませる

猫専用のものを……と意気込むあまり、インテリアのテイストとずれが生じたり、空間を圧迫してしまう可能性があります。猫と人が「お互いに」快適に暮らすことを考えれば、無理をして猫専用アイテムや家具をそろえる必要はありません。既存の梁を活用したり、手を加えたり、収納棚をうまく利用するなど、部屋のスペースやライフスタイルに合った形で取り入れましょう。

猫階段を設置する

猫が喜ぶアイテムとして人気なのが猫用階段です。上り下り運動できるのはもちろん、階段の先が2階に続くような構造になっていれば機能的にも抜群。猫が階段を駆け上がっていく気配を感じられる、おすすめアイテムです。最近では収納棚を兼ねた猫階段やインテリアに馴染みやすいテイストなど、豊富なバリエーションの中から選ぶことができます。

棚板にアクリル板を使うと?

アクリル板は、猫階段やキャットウォークを設置する際に使用する素材として根強い人気。透明なアクリル板の上を猫が歩くとき、猫がのんびりくつろいでいるときに、下から肉球を眺められるのが理由です。

猫にとっても飼い主にとっても幸せなアイテムです。猫のかわいらしい姿を堪能したいなら、猫用の「のぞき穴」もおすすめ。通り抜けだけでなく、ちょっと顔を出してみたり、顔を突っ込んで遊んでみたりして遊ぶ様子を見ることができます。

キャットタワーを設置する

キャットタワーは「猫の好み」も考慮して選ぶのがポイント

キャットタワーは猫が上下運動できるおすすめのアイテム。リノベーションで壁を利用してキャットタワーを作る方法がありますが、壁の工事が必要になります。高さや幅などが気に入らなかったり怖がって上ってくれないこともあるので、普段から猫の好みなどを観察して、慎重に設置しましょう。

賃貸物件やワンルームに最適なスリムタイプも

壁を加工することが難しい賃貸物件やスペースが限られるワンルームの部屋なら、場所をとらないスリムなタイプや、収納できるタイプがおすすめです。猫にとって暮らしやすいリノベーションといっても、猫と飼い主それぞれにとって必要な工事は異なります。猫の性格や飼い主のライフスタイル、猫との関わり方、住宅事情などを考慮し、猫も飼い主も快適に家にするのが理想的です。家族に合った形のリノベーション方法を見つけてください。

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