MONETら、仙台で高齢者の外出を支援する移動サービスの検証開始

ゆらリズム、ユニマット リタイアメント・コミュニティ(以下、ユニマットRC)、ヨークベニマル、MONET Technologies(以下、MONET)、IMPACT Foundation Japanの5者は、複数の福祉施設の送迎用車両を共同利用して、遊休時の車両で福祉施設に通う高齢者(以下、通所者)の外出支援などを行う実証実験を、12月中旬から来年1月末まで仙台市泉区南光台地区で実施する。

この実証実験は、経済産業省 東北経済産業局が行う令和2年度「高度な自動走行・MaaS等の社会実装に向けた研究開発・実証事業費(次世代型モビリティサービス実装推進事業)」(受託者:東北大学未来科学技術共同研究センター)の一部として実施するもの。

南光台地区ではコミュニティバスを運行しているものの、坂道が多いため自宅からバス停までの数百メートルの移動が障害となり、外出が困難な高齢者が多いという。また、南光台地区に限らず、運転免許証の自主返納に伴う外出機会の減少によって、地域コミュニティーからの孤立や、運動不足などによる身体的機能や認知機能の低下(フレイル)などの社会課題が日本には存在する。

そういった背景から、実証実験を通して、南光台地区における通所者の移動を支援する持続可能な仕組みを検証するとともに、他地区へ応用可能なモデルの構築を目指すことに至った。

実証実験では、ゆらリズムとユニマットRCがそれぞれ運営する、介護施設「音楽リハビリデイサービスゆらリズム南光台店」と「南光台ケアセンターそよ風」(以下、2施設)の合計4台の送迎用車両を共同利用し、下記3つの実証を行う。

実証1:複数の福祉事業者の通所者を共同で送迎

MONETの配車プラットフォームを活用し、同一地域に住む2施設の通所者を朝・夕に共同で送迎し、効率化とコスト削減効果を検証する。

実証2:福祉施設の通所者に、通所日にスーパーマーケットで買い物をするレクリエーションプログラムを提供し、スーパーマーケットへの移動に遊休時の送迎用車両を活用

ゆらリズム、ユニマットRC、東北地方・北関東でスーパーマーケットを運営するヨークベニマルが連携し、南光台地区にある「ヨークベニマル南光台店」で買い物をするレクリエーションプログラムを、通所時の昼間帯のサービスとして2施設の通所者に提供する。「ヨークベニマル南光台店」への通所者の移動と帰宅には、両施設の遊休時の送迎用車両を活用する。通所者に外出の楽しさを改めて体感してもらうことで、外出意欲の喚起につなげ、外出の機会を提供することを目指す。

実証3:福祉施設への通所日以外の外出を支援するサービスを提供

ゆらリズムとユニマットRCは、2施設の遊休時の送迎用車両で、通所者が通所日以外に自宅と「ヨークベニマル南光台店」や南光台地区のコミュニティセンター、地下鉄の駅などを含む約10地点の間をオンデマンドで移動できるサービスを提供する。送迎用車両の配車にMONETのプラットフォームを活用することで、効率的なサービスの提供を目指す。この実証では、通所者による買い物などの外出を促進するための持続可能なスキームを創出することを目的としている。また、将来的には南光台地区のさまざまな施設への外出プログラムや、健康増進プログラムなどを連携させた生活総合支援サービスを提供予定。

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