全国大学選抜ソフトボール男女 長崎出身2人そろって優勝投手に 男子・小山(佐世保西高―日体大)、女子・西川(九州文化学園高―中京大)

男子・小山=富山市、岩瀬スポーツ公園(左)、女子・西川=愛知県安城市総合運動公園(写真は提供)

 コロナ禍で中止されたソフトボールの全日本大学選手権(インカレ)の代替大会「全国大学選抜選手権」で、長崎県出身選手が男女そろって優勝投手に輝いた。日体大男子の小山玲央(佐世保西高卒)と中京大女子の西川沙希(九州文化学園高卒)。昨年までのインカレを含めて“4連覇”を飾った4年生の小山は「目標を見失った時期もあったけど、この大会でしっかり締めくくろうと思って頑張ってきた」と達成感をにじませた。
 同選手権(男子=10月31日、11月1日・富山、女子=11月10~12日・愛知)は、男女とも各地区代表の16チームが出場。トーナメントで競った。
 小山は環太平洋大との準々決勝で延長十回タイブレークを完投したのをはじめ、全4試合中3試合で計22回に登板。日本代表として昨年の世界選手権準Vにも貢献した最速135キロの剛球を披露した。同じく佐世保西高出身の捕手調和政がリードし、大村工高出身のメーンズ・ジェーラン秀吉らも打撃で活躍。決勝は大村工高出身で福岡大の海邉和也との投げ合いを3-1で制した。
 今季はチームの主将も務めた小山。「優勝するだけではなく、過程をいかに後輩に見せて伝えていけるか」と言い続けてきた。卒業後は日本リーグの強豪、平林金属(岡山)に進む予定で「1年目からタイトルを取りたい。世界選手権優勝もずっと目標。全日本総合選手権では日体大の後輩たちとも対戦したい」と次なるステージへの意欲を示した。
 女子で3年生の西川は決勝でインカレ2連覇中だった日体大を完封。全4試合中3試合で先発して、武器のチェンジアップを有効に使った。「昨年は自分が投げた試合で先輩を引退させてしまった。その先輩たちや、こんな大変な状況の中でチームをまとめてくれた4年生への思いも背負って投げた」と振り返った。
 革製のボールにも対応して、大学で「切れが出てきた」という左腕。その実力を存分に試すはずの1年をコロナ禍で乱されたが、逆に「ソフトボールができるありがたさをすごく感じている」。大学ラストシーズンとなる来年は「下の子たちのお手本になるような選手になって“2連覇”でバトンをつなぎたい」と意気込んでいた。
 中京大女子では長崎商高出身の水本すずも1年生でメンバー入り。高校時代に長崎を盛り上げた選手たちが、古里への思いも胸に全国各地で躍動している。

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